PEEK-A-BOO / 代表 川島文夫さん
・PROFILE
1971年ロンドンのヴィダルサスーンに参加し、フランスやイタリアなどで活躍する中、1975年に帰国。1977年東京・表参道に「PEEK-A-BOO」をオープン。以後、確かな技術と洗練されたスタイル提案で、第一線に立ち続けている。カリスマと呼ばれる美容師からもリスペクトされる、日本の美容師界の開祖とも言われる人物。
美容業界の名立たる人たちが“カリスマ”、と称えるPEEK-A-BOO代表の川島文夫さん。還暦を過ぎた今なお精力的に活動し、他の追随を許さない川島さんが、現代女性に声を大にして言いたいこと、それは「30代でロングヘアは卒業すべき!」ということだ。
――髪のアンチエイジングは、何歳から意識すべきとお考えですか?
10代はハリ・コシがあって、ツヤや光沢もあるバージンヘア、25歳くらいから少しずつ変化を感じてきて、30代で顔まわりの髪が細くなってきて、髪の強度が30%くらいダウンするというのは例外なく、すべての方に起きている現象。40代ではその変化が目に見えてわかるようになる。やはりそうなる前の30代でアンチエイジングケアをスタートするのがカギです。ずっとロングヘアだった人はなかなか勇気がでないかもしれませんが、ショルダーレングス、アゴのラインなどどんな人でも似合う長さが必ずあります。それを見つけ出すのが、我々美容師の仕事。アンチエイジングで一番大事なことは「質素に見えない」ことです。疲れて見えるなんてもったいない!春夏秋冬、洋服を着替えるように、髪型も変えていく。“シーズナブル・ヘア”をエンジョイしていけば、髪に対する意識も高まり、悩みも減っていきます。
――30代になったら、ヘアサロンにはどのような心構えで行くのがいいでしょうか?
我々美容師はお客様をキレイにするために、常にチャレンジをして、それを生かした提案を続けています。でも美容師だけでは、いい髪型は提案できない。お客様もそれなりの覚悟と勇気を持ってヘアサロンに来て、「こういうスタイルにしたい」という主張をどんどんして欲しいですね。お互いがコラボレーションすることから、キレイは始まるんです。ガムなんかを噛みながら鏡の前に座ったって、キレイな髪型にはならない。お客様も美容師も真剣勝負するくらいじゃないと、美を追求することはできないんです。女性は自分が「キレイになりたい」と思わない限り、キレイになる方法はないんです。そしてキレイになることに上限はないと思うんです。Never Stopですよ!
――そうなるといいヘアサロンとの出会いも重要ですよね。
そうあって欲しいと思っています。お客様がキレイになってハッピーになることが、一番僕たちがハッピーになれること。そうなるために我々も絶えず、一番効果的にデザインできるように勉強し続けています。今は押しつけるのではなく、提案の時代。我々の提案力で、光輝く女性を作るのが僕たちの仕事です。
――長く美容業界に君臨する川島さんから見て、女性の髪はどう変化したと思いますか?
現代人の美容に対しての意識は、時代時代で変化しています。現代では女性が社会にどんどん進出して、髪に対して費やす時間は少なくなっています。朝起きて会社に行く前に30分ドライヤーをかけて、20分かけて巻くのなんて、全くもってナンセンス!
そんな時間があるなら、どういうふうにその日1日を過ごすべきかシュミレーションすべき。僕が現代女性に提案するのは「WASH & GO」「WASH & AIR」。洗ってタオルで乾かしてすぐに仕事に行ける、髪にかける時間を短縮して、なおかつ、女性らしく輝ける髪型がベストです。きちんとしたベーシックなカットで、洗っても、風に吹かれても形が崩れない。そして“再現性”があることが大事です。
――PEEK-A-BOOの理念を教えてください。
PEEK-A-BOOはヘアカットがメインのヘアサロン。人それぞれ、頭の形や骨格、毛質、みんな違いますよね。PEEK-A-BOOではそれらをトータルして、“デザイン”することから始めています。それぞれの特性をきちんと理解して、それらに沿ったヘアスタイルにしていかなければ、再現性のある髪型にはなりません。そして今、女性に提案したいのは、先ほど言った「WASH & GO」「WASH & AIR」です。次回はモデルさんを使って、それを実践したヘアスタイルを紹介したいと思っています。
次回の記事はコチラ>>【PEEK-A-BOO 川島文夫 Part2】ショートは日本人の魅力を引き出す!Undoneショートヘアのすすめ
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カメラ(スチール、動画)/大根大和
取材・文/山西裕美(T.V.エディターズ)