
暑い季節になると気になるのが毎日のお弁当。要注意の食中毒ですが、日々の心がけ1つで、目に見えない細菌からお弁当を守ることができます。パパや子供のお弁当箱のふたを開けた時の嬉しそうな顔を思い描きながら、ちょっとのひと手間かけて、美味しく安全なお弁当を作って持たせてあげましょう。
◆ 最終更新日:2020年7月28日
Contents
- 1 夏に注意したい!食中毒を引き起こす細菌
- 2 お弁当のおかずをつくる際に注意したいポイント11個
1 夏に注意したい!食中毒を引き起こす細菌
数ある細菌の中でも特に知っておいた方が良いものをご紹介します。
1-1 加熱が不足すると生き残る細菌
加熱をすれば対処できる細菌です。お弁当を作るときはしっかり加熱をし、下記の細菌の対策をしましょう。
1-1-1 カンピロバクター
出典:PIXTA
加熱不足の鶏肉などから感染します。
1-1-2 サルモネラ菌
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鶏の卵や牛乳などにひそみます。
1-1-3 腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオは、アジやイカなどの魚介類の生食や調理器具などからの2次汚染で感染します。
1-1-4 アニサキス
最近注目のアニサキスは、魚の内臓などにいる寄生虫です。一度冷凍する、もしくは過熱すると死滅するのですが、生の魚の輸送技術が進んで冷凍しない魚が多くなったために増えてきています。
1-1-5 ノロウィルス
ノロウイルスは夏には少なくなります。しかし二枚貝などの過熱不足により食中毒になりやすく、感染しやすい細菌です。
1-2 調理道具や方法によって繁殖する細菌
1-2-1 黄色ブドウ球菌
手作り食品が危険な落とし穴になる黄色ブドウ球菌は、手の傷などにひそんでいます。傷がある場合、ゴム手袋などを使い、調理することをおすすめします。
1-2-2 ウエルシュ菌
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カレーの食中毒で有名になったウエルシュ菌。100℃で6時間加熱し続けても死滅せず、また加熱後に常温で放置することで細菌がさらに増殖する、とても怖い菌です。
2 お弁当のおかずをつくる際に注意したいポイント11個
食中毒を心配する時、最初に「傷みにくい料理はなに?」と考えてしまいがちですが、料理の種類よりもまず先に、キッチンや調理する人の衛生状態の管理をすることが大切です。
2-1 夏のお弁当には不向きなメニューは外しましょう
2-1-1 肉じゃがなど水分が多い煮物は注意が必要です
水分や糖分があると細菌が繁殖しやすくなるため、肉じゃがなどの煮物には注意が必要です。しっかり煮込み、水分を飛ばすと傷みにくくなります。
2-1-2 半熟たまごはNG!たまご料理を入れる場合はしっかり加熱しましょう
サルモネラ菌が気になるたまご料理。半熟のゆで卵などは入れることをおすすめしません。しかし、厚焼き玉子のように完全に火が通っていれば問題ありません。
2-1-3 生の野菜はおすすめしません
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彩りのために入れることも多いレタスなどの生野菜は注意が必要です。水分を多く持った生野菜は細菌が繁殖しやすくなります。また、彩りや隙間を埋めるのに便利なプチトマトもヘタと実の間の隙間に細菌が残りやすく、注意が必要です。お弁当に入れる際にはヘタを外してしっかり洗うようにしましょう。
2-1-4 肉・魚類・魚卵もしっかり加熱をしましょう
肉・魚類・魚卵などは、十分すぎるくらいに加熱をしましょう。ハムやソーセージ、かまぼこなどの加工食品も火を通した方が無難です。
2-2 手を清潔にしましょう
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手洗いはもちろん必須です。爪や指の間から手首までを、しっかりと洗いましょう。手を拭くときは清潔なタオルで、使い捨てのキッチンペーパーならばさらに安心です。
2-2-1 手に傷がある場合は注意が必要です
傷があっても、お弁当を作らないわけにはいかないのがママです。そんな時は、傷を絆創膏などで保護して、その上からゴム手袋をはめて調理しましょう。それでも気になる場合は、アルコール除菌のスプレーをゴム手袋にかけて使用してください。
2-3 キッチンも清潔にしましょう
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調理器具やシンクなどに残ったわずかな食品カスや汚れが細菌の栄養源になってしまいます。洗った後の食器や調理器具をしっかり乾燥させることは重要なポイントです。
2-4 泥つき野菜はまな板や調理台に乗せないようにしましょう
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家庭菜園などの採れたて食材で調理するとき、泥の処理も大切です。キッチンに持ち込む前に大体の泥を落とし、シンクの中に新聞紙を敷いた上で乾いた状態で皮をむきましょう。ゴミは新聞紙ごとまとめて捨てられますし、濡れていない生ゴミは臭いも発生しにくいです。
皮をむいた野菜をさっと水で洗ってからまな板や調理台に乗せることで、泥からの雑菌を防ぐことができます。
2-5 肉用・魚用・野菜用とまな板を使い分けましょう
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肉や魚から出た水分は細菌が繁殖しやすいので、まな板の使い方には特に気を配りましょう。肉・魚・野菜と、それぞれ使い分けることで安全に調理ができます。
特に、火を通さないサラダの野菜や果物は、肉魚(なまもの)用とはしっかり分けるようにしましょう。肉や魚と同じまな板で野菜や果物を切ると、まな板に残っていた細菌が野菜についてしまい、そのまま火を通さずに食べることで食中毒につながる場合もあるのです。
2-6 食材をしっかり加熱しましょう
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お弁当づくりで大切なのは、しっかり加熱をすること。熱の通っていない状態の食材をお弁当に詰めることは危険です。しっかりと食材を洗い、お弁当の詰め方を工夫しても、食材が細菌を持っていたら、せっかくの苦労も台無しです。毎朝忙しいと思いますが食材の中心まで、熱を通すことを心掛けましょう。
2-7 お弁当箱をお酢またはアルコール除菌スプレーで拭いてから詰めましょう
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2-7-1 お酢でお弁当箱を除菌
殺菌作用もあるお酢でお弁当箱をさっと拭いてから詰めることで、細菌からお弁当を守ります。お酢の匂いはすぐに消えるので気になりません。
2-7-2 アルコールスプレーでお弁当箱を除菌
最近はアルコール除菌スプレーを家庭に置いている人も多いのではないでしょうか。お弁当を詰める前にさっと吹きかけ、キッチンペーパーでふき取りましょう。
2-8 おにぎりはラップを使用して握りましょう
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おにぎりを作るときはラップを使って握りましょう。手についている細菌がおにぎりにうつる危険を回避できます。
2-9 おかずの温度差を無くしてから詰めましょう
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おかずとご飯は、同じくらいの温度に冷ましてから詰めましょう。微妙な温度差がお弁当箱の中で生じると、湯気などから水分が発生して、傷みの元となる場合があります。
2-10 出来上がったお弁当は保冷バックや保冷袋に入れて持たせましょう
忙しい朝、作ったお弁当を完全に冷やすのはなかなか手間ですよね。そんなときは、蓋が保冷剤になっているお弁当箱や凍らせたペットボトルのドリンクなどを一緒に保冷バッグに入れたりして、お弁当を冷たく保存しましょう。
2-11 夏の間はキャラ弁も注意して作りましょう
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子供が大好きなキャラ弁ですが、食材を手に持って細工する時間が長くなると細菌の発生につながる場合もあります。夏場は少し控えて、手早く作れるものにチェンジしましょう。その分、カラフルな野菜など、色で楽しませるような工夫をしてみるといいですね。
2-11-1 お手頃なのに使える100均お弁当グッズ
抗菌シートは銀イオンが練り込まれたフィルムを冷ました食品の上にのせて、雑菌の繁殖を抑えます。保冷バッグや保冷剤、抗菌アルミホイルなども夏のお弁当にはあると便利な商品です。
保冷剤には、輪切りのフルーツ柄やアイスクリーム柄、大人向けにはペイズリー柄などもあって、ただ冷やすだけではない商品もたくさんありますよ。
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