
髪は女性の命ともいうようにいつまでも黒々とした髪でいたいものですが、実際、年齢を重ねるにつれて避けて通れないのが白髪です。
あなたは白髪の生えてくる場所について、気にしたことはありますか?
実は白髪の生える場所によってその原因が違うことがあります。今回は部分別に原因をご紹介しましょう。
あなたにも当てはまるものがあるかもしれませんよ?ぜひ鏡を横に置いて、参考にしてみてください。
Contents
1 白髪が生えるメカニズム
そもそもなぜ白髪が生えてくるのでしょうか。まずは、そのメカニズムについてお話ししましょう。
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1-1 老化によるメラノサイトの機能低下
髪の色はメラニン色素によるものです。
髪の毛が作られる過程の中でメラノサイトという細胞によって作られるメラニン色素が混ざることによって黒い色がついていきます。
しかし、年齢を重ねるにつれてメラノサイトの機能は低下してしまいます。
そのため、メラニン色素が生成されなくなり、色のない白い髪、つまり白髪が生えてくるのです。
1-2 過酸化水素の蓄積
私たちは呼吸によって酸素を体内に取り込んでいます。この酸素の一部は活性酸素になり、その1つが過酸化水素です。
この過酸化水素は蓄積することでメラニン色素を破壊し、白髪の原因になると言われています。
先述した通り、メラニン色素はメラノサイトによって生成されますが、その際にはチロシナーゼという酵素が欠かせません。
しかし、過酸化水素はメラノサイトとチロシナーゼの形成を破壊してしまうため、髪を黒くできなくなってしまうのです。
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1-3 頭皮への血行不良
髪を黒くするのに欠かせないメラノサイトは毛根の下部に位置しており、頭皮から栄養を受け取ることによって正常に働きます。
しかし、血行が悪くなると、十分な栄養をメラノサイトに届けることができなくなります。
そうすると、メラニン色素を作るための酵素であるチロシナーゼの働きが鈍くなり、メラニン色素を生成することができなくなるため白髪になってしまうのです。
2 部分別にみる白髪の原因
白髪はじっくり見てみると一箇所に集中して生えている場合があります。
若白髪で悩む方が近年増えていると言われていますが、そういった方も特定の部分にまとまって白髪が生えているというケースが多いのではないでしょうか。
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2-1 東洋医学の考え
頭部には気と血の通り道がある経路が集中しており、この気や血のめぐりが乱れることにより体の不調に繋がるとされています。
経路に沿って存在する経穴、いわゆるツボの位置によってその不調の位置を特定していきます。
白髪が生えるということはその場所の血行が悪く、気や血のめぐりが乱れているということなので、その位置のツボが示す箇所になんらかの疾患があることが原因と考えられるのです。
2-1-1 頭頂部
頭頂部には万能のツボと言われる百会があります。
東洋医学ではこの百会は体中をめぐる気の流れが出会う場所とされており、自律神経の乱れにも効くとされています。
また、胃や消化器系とも繋がっています。
頭頂部に白髪がある方は、胃痛、ストレス、自律神経失調症、消化不良などが起こっている可能性があります。
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2-1-2 前頭部
前頭部、つまり前髪は目に付きやすい部分ですので、特に気になりますね。
ここに白髪が目立つ場合には、便秘、腹痛などの胃腸系の悩みのほか、吹き出物などの皮膚疾患が原因だと考えられます。
暴飲暴食やストレスなど思い当たることはないですか?ご自身の生活を見直してみましょう。
2-1-3 後頭部
後頭部は一般的に白髪が少ない部分と言われています。
それは生命維持に重要な延髄などがあり、新鮮な血液が多く流れているためです。
そんな後頭部に白髪が見られる場合には、不妊、性欲の減退など生殖器系の不調や生理不順、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。
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2-1-4 側頭部
耳の上や耳の後ろ、つまり頭の横に白髪が生えている時には内臓の不調が考えられます。
同じ頭の横の部分でも左右で原因が異なりますので、それぞれご紹介します。
2-1-4-1 左側頭部
左側頭部の場合は肝臓の不調が考えられます。
肝臓は体の中のアルコールや体内に取り込まれた毒素を解毒する働きをします。
アルコールを摂りすぎていないか、生活習慣が乱れていないか、思い当たるところがないかを思い返してみましょう。
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2-1-4-2 右側頭部
右側頭部の場合には腎臓の不調が考えられます。
腎臓は老廃物を体外へ排出する働きをしています。 この働きが悪くなるとむくみがひどくなったり、尿が正常に出なくなったりします。
白髪以外にむくみなども気になる場合には病気を疑ってみましょう。
2-1-5 こめかみ
側頭部と同じく頭の横に位置する部分のこめかみはストレスや眼精疲労が原因だと考えられます。
こめかみ周辺は神経細胞が多く通っています。パソコンや細かい作業、頭を使う作業を行うと神経細胞が活発になり、活性酸素が発生するため白髪の原因となります。
目の疲れやストレスを溜め込んでいる場合には、こめかみの血行が滞りやすくなりますので、これらの不調が原因と言えます。
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2-2 その他原因
体の不調以外にも特定の場所に白髪が生えてしまう原因はあります。
2-2-1 紫外線
頭頂部とはいっても、特につむじや分け目は紫外線を多く浴びてしまいます。
この紫外線が活性酸素を発生させ、頭頂部や分け目などの特定の場所に白髪が生える原因となるのです。
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紫外線が原因である場合はこちら>>
2-2-2 日頃の癖
日常の癖が白髪の原因となる場合もあります。
いつも同じところで髪を結んでいたり、頭をかく癖があったりする場合には頭皮の同じ部分に刺激を与え続けることになり、その箇所で活性酸素が発生し白髪に繋がるのです。
3 対策
体の疾患や不調が白髪の原因となっているとご紹介しましたが、必ずしも病気に直結しているわけではありません。
しかし、今回ご紹介した症状で思い当たるところがあると感じた場合には病院を受診してみましょう。
1度白髪が生えてしまうと、その毛根から黒髪が生える可能性はほぼありません。
白髪染めなどで色をつける手段はありますが、白髪が治るということは期待できないのです。
各部分共通の白髪予防・対策をご紹介します。減らすのではなく増やさないために取り組んでみましょう。
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3-1 睡眠
睡眠をしっかりとることは体の調子を整えるだけでなく、自律神経のバランスを整え、代謝や血行を改善することができます。
特に夜22時から翌2時という時間帯は成長ホルモンが多く分泌され、髪にも良い影響を与えるので早寝早起きを心がけることが大切です。
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3-2 ストレス解消
ストレスは頭頂部やこめかみに生える白髪の原因にも挙げられていますが、一般的な白髪の原因でもあります。
しっかり睡眠をとることもストレスを軽減するのに有効的ですし、適度な運動や趣味に費やす時間を設けるなどして心身共にリフレッシュさせましょう。
3-3 食生活の改善
偏った食生活では髪に良い栄養素を十分に摂取することができません。
バランスの良い食事をとることを基本に髪に良い栄養素を意識して取り入れてみましょう。
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食生活が原因かもしれないと思ったら>>
3-3-1 ヨード
ヨードはメラノサイトの活動を促すホルモンに必要な栄養素です。
昆布やひじき、わかめなどの海藻類やいわし、さば、かつおなどの魚介類に多く含まれています。
3-3-2 チロシン
髪を黒くするメラニン色素の原料となるのがこのチロシンです。
チロシンが不足してしまうとメラノサイトが活動していても髪は黒くなりません。
また、抗ストレス作用もありますので、その面でもぜひ積極的に摂取したいですね。
プロセスチーズなどの乳製品、バナナ、アボカド、りんごなどの果物、かつお、まぐろ、たら、ちりめんじゃこなどの魚介類、アーモンド、大豆、落花生などのナッツ類に多く含まれています。
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3-3-3 銅
銅はメラニン色素をつくり出す酸化酵素であるチロシナーゼを活性化させる上で重要です。
体内で作ることができない成分なので、食事を通じてしっかり取り込みましょう。
大豆、納豆、カシューナッツなどの豆類、ごぼう、にんにく、パセリ、モロヘイヤ、カンピョウなどの野菜類、そば、さつまいも、玄米などの穀物類、ほたるいか、えび、かになどの魚介類、あんず、プルーンなどの果物に多く含まれています。
3-4 頭皮マッサージ
頭皮マッサージをおすすめする理由は頭皮を揉みほぐすことによって血行を促進することができるからです。
頭皮マッサージは自宅でも行うことができます。
長時間マッサージをすると頭皮の負担になるので、5分程度を目安に手軽に取り入れてみましょう。
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3-4-1 こめかみ付近から円を描くように
こめかみに両手の親指以外の4本の指をあて、耳を包み込むように親指を後頭部において固定します。
その後、親指を固定した状態で、残りの4本の指で円を描くようにマッサージをしましょう。
このとき、頭皮を傷つけないように指の腹で優しく行いましょう。
3-4-2 下から上に位置をずらしていく
こめかみ付近のマッサージをしばらく続けたら、少しずつ上の方にずらしてマッサージをする場所を変えていきましょう。
頭皮の血行は下から上へ流れていますので、マッサージも血流に沿って下から上へと行うのが効果的です。
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4 まとめ
加齢とともに避けては通れない白髪ですが、その場所によっては体の不調や病気が関係しているということは意外だったのではないでしょうか。
体の不調に思い当たるところがある場合には、しっかり体調を整えましょう。そして、健康な体と共に白髪を予防していきましょう。