「髪に白い粉のようなものがあると気付き、よく見たらフケだった!」
そんな経験をしたことはありませんか?
フケは周囲に不潔な印象を与え、症状によっては嫌なにおいを発生させることも。
また、フケは病気が原因の場合もあり、軽くとらえてはいけないものなのです。
今回は、そんなフケが発生する原因と今すぐにでも実践できる9つの改善方法をお教えします。
1 フケとは
頭皮は一定の周期で古い角質細胞が剥がれ落ちて、新しい角質細胞に生まれ変わるターンオーバーが起きています。
健やかな頭皮では古い角質細胞が目に見えないほどの大きさの垢となって剥がれ落ちますが、何らかの影響を受けてターンオーバーの周期が乱れてしまうと目に見える大きさで剥がれ落ちてしまいます。これが「フケ」になります。
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フケが出ることは誰にでもあるので、少量であればそれ自体には問題がありません。
しかし、フケが大量に発生している場合は、頭皮になんらかのトラブルが発生している場合があるため注意が必要です。
また、フケには「乾性フケ」と「脂性フケ」の2種類があります。
次章ではその2種類のフケの症状や原因を説明します。
2 「乾性フケ」「脂性フケ」の症状と原因
2-1 乾性フケの症状と原因
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2-1-1 症状
頭皮の脂が少なく、肌が乾燥することでダメージを受けて発生するのが乾性フケです。
乾性フケは、サイズが小さく、サラサラしています。
髪に残ることはあまりなく、パラパラと落ちてしまいます。洋服の肩などに落ちて目立ってしまうフケは、この乾性フケに当てはまります。
2-1-2 原因
乾性フケが発生する主な原因は乾燥です。
加齢によるものや秋冬の空気、またそのほかにはパーマやカラー剤の刺激によるかぶれや高温のお湯、頭皮の洗いすぎなどでも頭皮が乾燥し、フケが発生しやすくなります。
また、もうひとつの原因としてアレルギーが挙げられます。
アトピー性皮膚炎や花粉症の方などのアレルギーがある方は、季節により敏感肌になりやすいため注意しましょう。
2-2 脂性フケの症状と原因
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2-2-1 症状
頭皮の皮脂分泌量が多くなり、それによって角質細胞が剥がれ落ちることで発生するのが脂性フケです。
脂性フケは、乾性フケに比べてサイズが大きく、湿っています。そのため髪にくっついていることが多いです。
2-2-2 原因
脂性フケが発生する主な原因は、皮脂分泌量の増加です。
皮脂分泌量の増加は、食生活の乱れやシャンプーの種類、頻度などさまざまな要因によって引き起こされます。
また、そのほかには自己免疫力の低下や季節の変化、体質なども原因として挙げられます。
2-3 フケの原因が病気の場合も
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フケの原因が乾性フケや脂性フケでなく、「病気」である場合もあります。
可能性のある病気についていくつか説明します。
2-3-1 脂漏性(しろうせい)皮膚炎
脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が多い場所(頭皮や鼻の周辺など)を中心に起こる皮膚炎です。
炎症を起こして地肌が赤くなり、かゆみを伴います。皮膚が荒れてかさついたり、頭皮に症状が起こると、フケがたくさん出るようになります。
脂漏性皮膚炎を発症する原因は、マラセチア菌と呼ばれる頭皮の常在菌の異常繁殖によるものです。
マラセチア菌は皮脂をエサとしているため、皮脂が過剰に分泌されると、それをエサとしているマラセチア菌も異常繁殖します。
そしてその異常繁殖により、肌に刺激を与える大量の脂肪酸が排出され、炎症やかゆみ、フケを引き起こす原因になるのです。
また、他の原因としてはビタミンB不足、シャンプー時のすすぎ不足、生活習慣の乱れやストレスなどが挙げられます。
2-3-2 頭部白癬(はくせん)
頭部白癬は頭にできる水虫です。
原因は白癬菌と呼ばれる人の垢や体毛を好む細菌が足や手、頭に繁殖することで発症します。特に足にできる白癬を水虫と呼んでいるため、頭にできる水虫と説明しました。
症状としては、感染部分がかさぶたになり丸く脱毛するのが特徴で、円形脱毛症と間違われることもあります。
皮膚が乾燥してフケが出たり、抜け毛が発生することも多いです。症状が悪化するとかさぶたから膿や血が出ることもあります。
白癬菌はじめじめとした湿度が高い環境が好みなため、汗をかきやすく、帽子などによってさらに蒸れた状態になりやすい頭皮は菌にとって絶好の環境になります。
帽子やタオルの共用や、菌が感染した場所に触れた手でさらに頭皮や髪に触れることで人から人に感染していきます。
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その他、フケのようなものが発生する乾癬(かんせん)やシラミといった病気もあります。
フケの量が多い、またこの後に紹介する改善方法を実践しても一向に改善しない場合は病気が原因になっている可能性があります。
▶ 乾癬についての詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。>> 乾癬ネット
▶ シラミについての詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。>> 誰にも聞けないシラミの話
3 フケを改善させる方法
3-1 生活の中でできること
生活習慣を見直すことでフケを改善させることができます。
食生活、睡眠、運動、ストレスという4つの点から詳しく説明していきます。
3-1-1 食生活の見直し
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私たちが食事などから摂取した栄養は血管を通り、頭皮に行き渡っています。
しかし、頭皮に栄養が届くのは体の中で1番最後。つまり、十分な栄養が摂取できていないと頭皮に栄養がいかなくなってしまうのです。
そのためには、必須栄養素をバランス良く摂取することが大切です。その上で特に髪や頭皮を健やかな状態に導くために効果的な食材を摂ると良いでしょう。
また、糖質や脂質の過剰摂取は頭皮の皮脂分泌量を増加させてしまうため、適度な量を食べるようにしましょう。
▶ 髪や頭皮を健やかな状態に導くために効果的な食材はこちらの記事をご覧ください。>> 美髪に必要な栄養素6つとおすすめの食べ物12品で薄毛&抜け毛対策!
3-1-2 睡眠の見直し
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成長ホルモンが活発に分泌される夜22時から翌2時は、角質細胞が生まれ変わるターンオーバーが積極的に行われる時間帯です。この時間帯に睡眠をとることで頭皮環境のみならず、肌や免疫力、ホルモンバランスも整えることができます。
また、良質な睡眠のために、就寝前にはパソコンや携帯電話の画面を見ない、最後の食事から3時間以上空ける、部屋の電気を消す、ストレッチをするといったことも効果的ですので、意識して行動してみましょう。
▶ 関連記事:健康な髪を手に入れる“良質な睡眠”とは
3-1-3 運動不足・ストレスの解消
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運動不足やストレスの蓄積は、血行不良につながり、栄養が頭皮まで行き渡らなくなる原因になってしまいます。
運動を行うことで血液を循環させることができ、血行が良くなりますし、ストレスを解消させることでも同様の効果を得ることができます。
ストレッチやウォーキングなどの軽めの運動で十分なので、日頃から体を動かすように意識してみましょう。
また、体を動かすことはストレスの解消にもなるので一石二鳥です。
3-2 ヘアケアでできること
ヘアケアを見直すことでもフケの改善が期待できます。
3-2-1 シャンプーの回数や方法を見直す
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あなたは1日に何回シャンプーをしていますか?
朝夜1回ずつなど、計2回以上シャンプーをしているという方は、「1日1回夜だけ」に変えてみましょう。
髪や頭皮を健康な状態で保つためにはある程度の皮脂量が必要になるのですが、1日に何度もシャンプーをすると、頭皮に皮脂が少ない状態が続き、乾燥してしまいます。
また、シャンプーを泡立てないまま直接髪や頭皮につけたり、爪を立ててゴシゴシ洗うことも髪や頭皮へダメージを与えることになります。
シャンプーを手にとったらしっかりと泡立ててから頭皮に乗せましょう。そして指の腹でマッサージをするように洗っていきます。髪もこすったりせず、泡で包み込んでやさしくなでるように洗うと良いでしょう。
▶ 髪や頭皮を傷めない、正しいシャンプー方法を美容師さんに聞きました。>> 現役美容師も自宅で実践!正しいシャンプーの方法とは?
3-2-1-1 シャンプー後のケアも意識してみましょう
正しいシャンプー方法で髪と頭皮を洗った後は、念入りにすすぐようにしましょう。
シャンプーが髪や頭皮に残ってしまうとベタつきや炎症といったさらなるトラブルを引き起こしてしまう可能性も。
同様にトリートメントもしっかりすすぐことが大切です。
また、お風呂上がりにはタオルドライで髪の水分をふき取ってから、なるべく早くドライヤーで乾かすことを意識しましょう。
髪や頭皮を濡れたまま放置してしまうと、フケの原因となる雑菌が繁殖してしまい、嫌なにおいがしてしまうこともあります。
3-2-2 今使っているシャンプーを見直す
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シャンプーには、高級アルコール系・石鹸系・アミノ酸系の3種類があるのですが、それぞれ洗浄力の強さが異なります。
フケに悩んでいる方は、洗浄力が弱めな「アミノ酸系シャンプー」を使うことをおすすめします。
洗浄力が強いシャンプーだと、必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮が乾燥してしまうためです。
アミノ酸系シャンプーは、必要な皮脂を残しながら余計な汚れだけを洗い流すので頭皮が乾燥するのを避けることができます。
▶ 3種類あるシャンプーの違いはこちらの記事をご覧ください。>> シャンプーの種類を徹底比較!特徴を知って髪の悩みに合うものを選ぼう!
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しかし、トラブルの状態や体質によっては洗浄力の弱さがデメリットになることもあります。
特に脂性フケの方はアミノ酸系シャンプーで余計な皮脂や汚れを落としきれずにベタつきが増すことも。
その場合は、少々洗浄力が強めのフケや頭皮のかゆみ専用のシャンプーを使ってみることをおすすめします。
▶ おすすめのフケ対策シャンプーはこちらの記事をご覧ください。>> フケの原因と対策シャンプーおすすめ人気ランキング8選
3-2-3 頭皮を保湿する
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頭皮が乾燥することで乾脂性フケが発生するとお話ししましたが、脂性フケも頭皮の乾燥で皮脂分泌量が増えているために発生している場合があります。
頭皮専用のローションや美容液を使って、顔の肌と同じような保湿ケアを行いましょう。
手元に頭皮専用のものがなく、すぐに購入できないという方は顔に使う化粧水で代用することも可能です。
▶ 関連記事:頭皮の保湿で乾燥対策!おすすめの保湿ケア対策7選!
3-2-4 頭皮マッサージをする
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頭皮マッサージを行うことで凝り固まった頭皮を柔らかくし、血行を促進させることができます。
それにより、栄養が頭皮に行き渡り、健やかな頭皮環境に整えることができます。
リフレッシュ効果もあるのでシャンプー時はもちろん、仕事中などに行うのもおすすめです。
▶ 簡単な手順でできる頭皮マッサージの方法を美容師さんに聞きました。>> 頭皮マッサージは自宅で出来る!美容師が教える簡単なやり方やコツまとめ
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また、オイルを使うことで髪や頭皮の汚れを浮かせながらマッサージをすることができ、頭皮環境の向上にさらなる効果を発揮します。
(オイルを使う場合は、マッサージ後にシャンプーを行いましょう。)
▶ 関連記事:頭皮ケアはオイルで決まり!おすすめオイル5選&マッサージ法
3-2-5 パーマやカラー剤、スタイリング剤の使用を控える
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パーマやカラーは刺激のある薬剤を使うので、頭皮に刺激を与えることになってしまいます。
また、スタイリング剤なども刺激があることはもちろん、毛穴詰まりにもつながり、頭皮の状態が悪化してしまう場合があります。
フケが落ち着くまではパーマやカラーを控えたり、スタイリング剤も毛先だけにつけるなどの対策をとりましょう。
4 改善しない場合は皮膚科を受診しましょう
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これまでに紹介した方法を実践してもフケが改善しない場合は、皮膚科を受診することも大切です。
病気の場合は原因を見つけ、それに対する治療を行い、完治させていきましょう。
病気が原因でない場合も医師の診断・処置によって早くに症状を改善することができる可能性があります。
5 まとめ
周囲への影響もある悩ましいフケは、セルフケアで改善することができます。
ただ、病気が原因の場合もあるため、まずは自分のフケの状態・原因を把握することが大切です。
また、今回紹介した改善方法はフケだけでなく、健やかな髪を育てたり、顔のリフトアップや体調を整えたりする効果もあります。
フケの改善に限らず、+αの効果を目的に実践することもおすすめですよ!