
ヘアドネーションという言葉を聞いたことはありませんか?ヘアドネーションは病気などによって髪を失った子供に髪を提供する活動のことです。芸能人がこのヘアドネーションを行なったというブログやインスタグラムを更新し、話題になったりもしています。しかし、まだこの活動を知っている人は少ないです。
この記事を読み、ヘアドネーションがどのようなものなのか知ってください。そして興味を持ち、参加する人が増えてくれればと思います。
Contents
1 ヘアドネーションとは?
出典:PIXTA
ヘアドネーションは病気や治療のための薬によって髪がなくなった場合や、先天性の病気により髪がない場合など、ウィッグを必要としている子供のために髪を寄付する活動です。子供用サイズのウィッグとなると既成品がなく、フルオーダーとなってしまうのですが、髪を失ってしまった子供の多くは高度医療など高額な治療を受けている上、フルオーダーウィッグは安くても5~50万円と、とても高額なので簡単に手にできるものではありません。
そこで集められた髪を使用し、子供たち一人一人に合わせて無償でウィッグを作っています。このウィッグを作るために髪を送る活動のことをヘアドネーションと言います。もともとはアメリカの団体Locks of Loveなどが行っていた活動で、日本では2009年にNPO法人Japan Hair Donation&Charityが活動を始めました。
2 ヘアドネーションをするメリット
2-1 カットした髪が無駄にならない
通常ならば美容室でカットした髪はそのまま捨てられてしまいます。しかし、そんな捨てられる運命だった髪を提供することによって、病気やケガと戦っている子供たちにエールや元気、希望を送り、子供たちを笑顔にすることができるのです。
2-2 資金が要らない寄付ができる
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気持ちはあるけどお金がないという理由でボランティアや寄付を見送ってきたという方も少なくないのではないでしょうか。しかし、ヘアドネーションは費用もかからず、髪を切って送るだけで貢献ができるのです。
どうでしょう、これなら誰にでもできそうじゃないですか?
3 ヘアドネーションの流れ
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送るとなると、あなたの髪がどのような手順を踏んで子供たちに届けられるか気になりますよね。ここでは髪を送ってから、ウィッグができるまでの流れを簡単にご紹介します。
3-1 仕分け
届いた髪を同じ長さのものに仕分けします。ウィッグを作るために必要な長さは団体によって異なりますが、約15~31cm以上とされ、ロングヘアのウィッグを作るためには約50cm以上の長さが必要だそうです。
そのため、長さによって仕分けることで、ショート、セミロング、ロングといった長さの違うウィッグを作ることができるのです。
3-2 髪質を統一
仕分けをした髪は工場に運ばれ、髪を均一にするトリートメントを行います。一人一人髪の硬さや太さ、色などが違うためそのまま使用することはできません。このトリートメントを行なうことで髪質を同じものにして、やっとウィッグを作るための髪になるのです。
3-3 サイズ合わせ
ウィッグをつける子供の頭の型を取り、それに合わせてウィッグを作ります。この作業はウィッグを作るための工場に運ばれて行われます。
3-4 ウイッグを子供へ届ける
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受け取る子供が届けられたウィッグをつけて、美容室でカットをして完成です。カットはヘアドネーションに協力している美容室で行われます。
このカット代は団体により無料の場合と有料の場合があります。
4 ヘアドネーションを行っている団体
ヘアドネーションの実施団体は3つあります。どの団体も無料で子供たちにウィッグを渡しています。必要条件や送り方などをまとめているので、協力しようと思った時の参考にしてみてください。
4-1 JAPAN HAIR DONATION&CHARITY(JHD&C=ジャーダック)
出典:https://www.jhdac.org/index.html
日本で最初にヘアドネーションを始めた団体が、NPO法人の「JAPAN HAIR DONATION&CHARITY(JHD&C=ジャーダック)」。18歳以下の子供たちに完全無償でフルオーダーのメディカル・ウイッグを提供している国内のNPO法人です。
髪を送る際に、可能であればヘアドナーシートの記入を求めています。また、返信用封筒を同封することで受領証がもらえます。きちんと届いたことを確認できるので安心です。
4-1-1 ジャーダックに髪を送る際の条件
性別や年齢は問いませんが、以下のポイントをクリアした髪のみ送ることができます。
・長さが約31cm以上あること
・乾燥した髪(湿っていないもの)
・ひっぱっても切れない程度に丈夫な髪であること
ちなみに、上記の条件をクリアしていれば、カラーやパーマ、ブリーチをしている髪でもOKだそうです。
4-1-2 同封するもの
髪を送る際に同封するものは以下のものです。
・ヘアドナーシート(同封していなくても髪を送ることは可能ですが、賛同美容室より送る場合には必ず記入が必要)
・返信用封筒(受領証が必要な場合)
4-1-3 送り先
〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎5-7-11 アベニュー中津803号
「JHA&C ヘアドネーション係」宛
宅配便用TEL(宅配便の宛先欄に書くための専用):06-6147-5316
4-2 HERO(ヒーロー)
出典:http://hairdonation.hero.or.jp/
2016年5月より活動をスタートさせたNPO法人「HERO」。病気や事故により髪がなくなった18歳までの子供を対象にしています。また、髪の提供や寄付金のお願いとともに、グッズの販売も行っています。このグッズを購入することで販売先の会社よりロイヤリティが入る仕組みです。こちらも髪を送る時に返信用封筒を入れておくことで、受領証も送ってもらえます。
4-2-1 HEROに髪を送る際の条件
子供からお年寄りまで男女問わず参加できますが、以下の条件に当てはまる髪のみ送ることができます。
・長さが約31cm以上あること
・乾燥した髪であること
・ゴムでまとめてあること
・一人一人分けて束ねてあること(他人の髪と混ぜない)
4-2-2 同封するもの
髪と一緒に以下のものも送りましょう。
・名前と住所を書いた紙(ホームページに名前を掲載したくない時は、ニックネームまたは匿名希望と書いておきましょう)
・返信用封筒(受領証が必要な場合のみ)
4-2-3 送り先
〒981-8003 宮城県仙台市泉区南光台2丁目13-1
「特定非営利活動法人HEROヘアドネーションプロジェクト係」宛
TEL:022-347-4591
4-3 つな髪
出典:http://www.organic-cotton-wig-assoc.jp/
株式会社グローウィングが運営するのが、社会貢献プロジェクトの「つな髪」です。小児がんや脱毛症で髪に悩みを持つ子供たちへ、寄付によって集められた髪で医療用ウィッグを無料でプレゼントしています。ただし、子供たちがウィッグを受け取った後、賛同美容室でスタイルを合わせるカット代は有料です。
髪を送る場合には事前に「つな髪エントリーフォーム」に申し込みを行う必要があります。また、希望すれば、受領証や認定証を受け取ることができます。
4-3-1 つな髪に髪を送る際の条件
年齢や性別関係なく誰でも参加できます。ただし、以下の条件を満たした髪のみ送ることができます。
・長さが約15cm以上または約30cm以上あること
・ひっぱっても切れない程度の丈夫な髪であること
・ブリーチなどで色が褪せていないこと
・白髪でないこと(白髪が混じっているものは可能)
4-3-2 同封するもの
カットした髪と一緒に以下のものを送ってください。
・フリガナをつけた名前、住所、電話番号、メールアドレス、認定証の有無、つな髪エントリーに申し込んだ日を書いたメモ
4-3-3 送り先
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田3丁目3−45 マルイト西梅田ビル2F
「株式会社グローウィング つな髪事務局」宛
5 ヘアドネーションのための髪の切り方から送るまでの手順
髪をカットして送るには、自分自身でカットして送る方法と、ヘアドネーションに賛同し、協力している美容室でカットして送ってもらう方法があります。
美容室でカットする場合には、団体のホームページから賛同美容室を検索できます。
>>各団体の賛同美容室検索はこちら
→「JAPAN HAIR DONATION&CHARITY」「HERO」「つな髪」
今回は自宅でカットし、送る方法についてご紹介します。
5-1 髪をブロッキングする
髪をカットする前に、3~5等分に分けてゴムで縛ります。束が太いとバラバラになることがあるので、必ずブロッキングしてからカットしましょう。
5-2 ゴムで縛った髪をカットする
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ゴムで結んだ場所の約1cm上をカットしてください。ゴムで結んだすぐ上だとゴムが外れやすくなり、髪がバラバラになってしまうので注意しましょう。
そのあと、カットした束をさらにひとつにまとめてゴムで留めてください。そうすると一人分の髪がわかりやすく、受け取った後の作業がスムーズに行えます。
5-3 カットした髪を団体に送る
出典:PIXTA
それぞれの団体が同封するよう求めているエントリーシートや名前・住所を記したメモなどと、束ねた髪を封筒やレターパックにて送ります。この時、髪をラップや紙などで包む必要はありません。
6 自宅で髪を切る際の注意点
頑張って伸ばした髪をすべてウィッグとして使うために、注意すべきポイントがあります。自宅にてカットする場合は、意識してください。
6-1 髪の長さを統一する
カットした髪の長さがバラバラでは、ウィッグとして使う長さに達せず使用できない場合があります。カットする時には、長さがバラバラにならないよう意識して切ってください。
6-2 新品のゴムを使う
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劣化したゴムで髪を束ねると、郵送中にゴムが切れて髪がバラバラになる可能性があります。何度も使用したゴムではなく、新しいゴムを使って束ねるようにしましょう。
6-3 乾燥した髪を送る
濡れた髪を送ると、中に湿気がこもりカビが繁殖します。カビが生えた髪はウィッグとして使用することができません。必ず乾いた髪を送ってください。
7 ヘアドネーションによる美容室の特典
賛同美容室によって、髪の寄付を行う人に特典を設けています。特典の内容や有無は美容室によって異なりますが、トリートメントやヘッドスパをサービスする、カット料金の割引などがあります。美容室でカットをするなら、このような特典を利用してみましょう。
8 ヘアドネーションに寄付するまでのヘアケア
髪を長く伸ばすと、うねりやパサつきなどのダメージが目立ちます。また、ヘアドネーションの実施団体には傷んだ髪を寄付できるのかという質問が多く寄せられています。
結論としてはダメージのある髪でも送ることはできます。しかし、人にあげるのだからと髪のダメージを少なくしておきたいと考える方もいるでしょう。ここでは日常生活で髪へのダメージを少なくするために、気をつけるべきポイントをまとめました。
8-1 髪の紫外線予防
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髪が紫外線を浴びるとメラニン色素がダメージを受け、髪が茶色っぽく変色する、たんぱく質を分解して髪が切れやすくなる、頭皮が炎症を起こして抜け毛の原因になるなどさまざまなトラブルを引き起こします。顔や体だけでなく、髪も紫外線を浴びないように予防することが必要です。外出する時には、UVスプレーを使用する、日傘を使う、帽子をかぶるなどの対策をとりましょう。
>>紫外線から髪を守る!日焼け止めスプレーおすすめランキング12選
>>髪や頭皮の紫外線ケアにおすすめの対策8選!髪や頭皮を日焼けから守る
8-2 入浴後の髪のケア
髪を洗った後のケアを間違えると、大きなダメージを与えることになります。濡れた状態の髪は刺激に弱いので、以下のポイントに気をつけてください。
8-2-1 自然乾燥は避ける
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ドライヤーをせず、濡れたままの髪を自然に乾くまで放っておいてはいけません。濡れている状態の髪はキューティクルが開いているため、外部からの刺激にとても弱いです。そのため、その状態が長く続くことでよりダメージを受けやすくなります。髪は自然乾燥させず、ドライヤーを使って素早く乾かしましょう。
8-2-2 ドライヤーのかけ方
髪を乾かすのに不可欠なドライヤーですが、使い方を間違えると髪を傷める原因になります。
乾かす際には髪から約20cm離し、熱によるダメージを少なくしてあげましょう。また、ドライヤーを髪の下側から当てるとキューティクルが逆立ってしまい、きしみやパサつきの原因になります。必ず生え際から毛先に向かって当てるように意識してください。
>>正しい髪の乾かし方をお悩み別に美容師が徹底解説!ドライヤーで髪は変わる!
8-3 トリートメントなどによるヘアケア
紫外線予防やシャンプー後のケアをきちんとすることに加え、トリートメントなどのヘアケアアイテムを使えばさらに髪のダメージを減らすことができます。ぜひ参考にしてください。
8-3-1 ロクシタン / ファイブハーブス リペアリングヘアオイル
シャンプー後のタオルで水を取った後の髪につけるだけで、ドライヤーの熱から髪を守ります。さらにうるおいと栄養を与え、しなやかで美しい髪を作ります。お出掛け時の紫外線によるダメージのケアにもおすすめです。
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内容量 :100ml
8-3-2 プリスティーン / プラスカミミスト
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8-3-3 ザ・ヘアケア アクアインテンシブ / オイルアンリミテッド シルク
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9 まとめ
ヘアドネーションがどのような活動か、お分かりいただけましたでしょうか?
水野美紀さん、柴咲コウさん、熊田曜子さん、ダレノガレ明美さんなどの芸能人の間でもヘアドネーションに参加する人が増えてきています。認知度が高くなり、この活動への参加者が増え、髪を失った子供たちが少しでも笑顔を取り戻せる役に立つことを願います。