
シャンプーの成分でよく目にする“ラウリル硫酸”とは、“ラウリル硫酸Na”のことです。果たしてその“ラウリル硫酸Na”とは良いものなのでしょうか?悪いものなのでしょうか?
Contents
1 ラウリル硫酸Naとは
シャンプーや歯磨き粉に使用されている代表的な洗浄成分であり、陰イオン性の界面活性剤です。界面活性剤(洗浄成分)は、化粧品とは切っても切りはなせない関係にあることは間違いありません。
1-1 ラウリル硫酸Naの良いところ
出典:pixta.jp
洗浄力、起泡力、殺菌力が強いので、脱脂力を必要とする製品に適しています。安価で非常によく泡立つため、市販のシャンプーによく使用されています。また、市販の台所用洗剤にも同じ成分が使用されています。
1-2 ラウリル硫酸Naの悪いところ
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強い脱脂力のため、肌荒れを起こす人もいます。
界面活性剤というものはどれも少なからずタンパク質変性作用をもっており、ラウリル硫酸Naはそれが特に強いのです。
経皮毒性があると言われていますが、今のところ発がん性は認められてはいません。また、例え、経皮吸収しても全て尿から排泄されるため、特に問題ないという説もあります。
2 似ている成分名のラウレス硫酸Naとは
ラウリル硫酸Naと同様にシャンプーの成分としてよく目にする成分です。
2-1 ラウレス硫酸Naとは
ラウリル硫酸Naと同じ陰イオン性の界面活性剤です。また、泡立ちが良く、洗浄力や脱脂力も強いです。ラウリル硫酸Naと同様に安価ため、市販のシャンプーによく使用されています。
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2-2 ラウリル硫酸Naとの違いは
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この2つの違いは分子の大きさです。ラウレス硫酸Naの方が分子が大きく、ラウリル硫酸Naより安全性を高めたものと言えます。なぜなら、分子が小さいほど肌への浸透力が高く、裏を返せば肌へ刺激があると言えるからです。
3 界面活性剤について
3-1 界面活性剤の機能
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界面活性剤は分子中に親水性と新油性を合わせ持っています。そのため、水や油のように性質の異なるものの境の面(界面)に集まり、それらをなじみやすくする性質を持っています。
3-2 界面活性剤の分類
水に溶解した時に、次の2つに分類されます。
- ・イオンに解離するイオン性界面活性剤
- ・イオンに解離しない非イオン性界面活性剤
更に、イオン性界面活性剤は次の3つに分類されます。
- ・イオンがマイナスイオン(陰イオン性界面活性剤)
- ・プラスイオン(陽イオン性界面活性剤)
- ・プラスとマイナスの両方(両性界面活性剤)
4 まとめ
ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naは強い脱脂力があるため、頭皮が乾燥したり、肌荒れを起こす可能性があります。ただし、経皮毒性があるなど言われていますが認められているわけではありません。賛否両論があり、はっきりと分からない部分が多く、いまだに論争が続いています。その良し悪しについてはさまざまな意見があり、一概に悪いものとは言えません。
多様な成分を使用した商品が手軽に買える今、成分の長所と短所をしっかり認識し、私たちが選択していく時代になったのかもしれません。