
子供がケンカをしてきたら、親としてはやはり心配なものです。可愛い我が子が浮かない表情だったり、泣いていたりすると親としてはついつい何かできないものだろうかと考えてしまいます。子供同士のケンカには親はどのように対応したら良いのでしょうか。今回はその対応方法についてご紹介します。
◆ 最終更新日:2019年7月5日
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1 子供同士のケンカはどういったもの?
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子供は些細なことでケンカをします。幼い頃は物を取った、取られたという単純なトラブルだったのが、自分の気持ちを言葉で伝えられるようになると、正しく思いが伝わらないなど言葉のニュアンスによるケンカも増えてきます。成長すると共にケンカの原因や内容も複雑になっていきますが、子供はケンカを通して、成長していくといっても過言ではありません。
2 親が介入すべきでない理由
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子供同士のケンカは当人同士で解決するのがベストです。親は介入しない方が良いでしょう。ではなぜ、親が介入すべきでないのか、その理由を見ていきましょう。
2-1 仲直りしづらくなる
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子供のケンカは、原因が根深くないので案外とあっさりしていて、ケンカをした当日は口もききたくない!と大人の目では「何もこんなに怒らなくても・・・」と思うほど怒るのですが、翌日には何もなかったかのように幼稚園などで仲良く遊ぶことも多いです。そうしたケンカに親が割って入ってしまうことで、事態がより根深いものになったり、余計にこじれてしまったりして、子供が意地を張り、謝ることができなくなってしまいます。
2-2 学習する機会を奪ってしまう
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ケンカを推奨する親はいませんが、子供にとってはケンカも内面的な成長をするにあたり、とても重要な過程であることも事実です。肉体的暴力、言葉の暴力どちらにせよ、親からダメと言い聞かされるだけの理解力と、実際に加害者、被害者になって身をもって感じること、理解することは異なります。それを繰り返すことで人の痛みを理解し、付き合い方や折り合いのつけ方、解決の仕方などを学習します。
それに親が介入してしまうことで、自らが身をもって経験、学習、問題を解決する機会を奪ってしまうことになります。そのまま成長しても、人の痛みが分からず、トラブルやケンカを起こしても自身で解決できない大人になってしまいます。
2-3 親同士の関係性が悪くなる
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子供同士のケンカが引き金となって親同士にも飛び火してしまうことがあります。子供の話を鵜吞みにしてしまった親が「子供の言うことだから~」と冷静にならず、子供のケンカ相手が悪いと捉えてしまい、それが尾をひくことが多々あります。また、親であれば我が子を思う気持ちが強くなり、客観的なものの見方ができなくなることがあるので、相互で子を思う気持ちが冷静な判断を邪魔してしまい、一度関係がこじれてしまうと修復が難しくなります。
3 親がとるべき3つの対応
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子供がケンカをしている場合、親には何ができるのでしょうか。先に述べた通り、積極的に介入すべきではありませんが、かといって知らないふりをして放置しておくわけにもいきません。そういう時は、子供同士の仲裁に入るのではなく、気持ちの整理をさせ、仲直りするためのサポート、ガイドに徹すると良いでしょう。
3-1 耳を傾けてあげる
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明らかにいつもの様子と違った違和感がある場合は、何があったのかヒヤリングしてあげましょう。ケンカをしている時には、自分に非がない場合も非がある場合にもすっきりとしない気持ちを抱えているものです。されて嫌だったことや悔しかったこと、やってしまって後悔していることなどを聞いてあげるだけでも子供のモヤモヤした気持ちや悩みを軽減してあげることができます。
3-2 事実を把握する
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子供から話を聞く時には事実を把握するよう、心掛けましょう。ケンカをしたと聞くと我が子が可愛いあまりに、つい子供の話を鵜呑みにしてしまい、ケンカ相手を敵視してしまいがちですが、そこは冷静になって、子供の証言から事実を捉えることが重要です。子供は自分の非を語りたがりませんから、子供の言い分だけを鵜呑みにして、親まで怒っていると、あとから事実を知り、赤面するといったことにもなり兼ねません。お友達が、なぜそんな言動に出てしまったのか、そうした根元にまで遡って、事実を把握できるよう、話を引き出しましょう。
3-3 仲直りへの手助け
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子供が仲直りできるよう、さりげなく手助けをしてあげましょう。どうしてケンカになってしまったのか、なぜそう思ったのか、どんな気持ちだったか、お友達はどう思っているかなと問いかけることで自分の気持ちと向き合わせてあげることができます。気持ちを整理することができ、相手の気持ちを考えることもできます。そうすると仲直りをするためにはどうしたらいいのかに気づくことができるでしょう。
4 親が介入すべき時とは
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いくら子供同士のケンカといっても子供だけでは解決できない問題のときもあるでしょう。そうした場合は親が行動を起こさなければなりません。子供が楽しく過ごせる環境を守るためにも必要な場合には適切な行動をとりましょう。
4-1 暴力的な場合
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暴力的な行為が見られる時は、親が注意しましょう。お友達の中には乱暴な子がいたり、力を誇示するために暴力的になったりしてしまう子もいます。そのような様子に気づいた場合には事実をしっかり把握した上で、学校の先生に相談することも必要になります。この場合にも相手方を非難して大ごとにするのではなく、まずは注意をして様子を見ていてほしいというような相談が良いでしょう。
4-2 ケガが発生した場合
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子供のケンカは、思わず手を出してしまうことがあります。ただ、そうした行為によってケガが発生した場合、子供同士とはいえ、一歩間違うと大変なことになってしまいます。双方に冷静さを取り戻すよう促し、原因や経緯など話を聞き、整理した上で、暴力、そして相手をケガをさせるような危ないことはしてはいけないことをしっかりと言い聞かせ、円満に解決するよう、誘導しましょう。
4-3 いじめ
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対等なケンカではなく、公平でない人数だったり、自分より力の弱いものを一方的に責めたりするいじめの場合もあります。ケンカなのか、いじめなのかという境界線はとても判断が難しいのですが、以下のような場合にはいじめを疑って、学校などに相談する必要があるでしょう。
4-3-1 反復性がある
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嫌がることを何度も執拗に行っている場合もいじめであると考えられます。やっている方はからかっているだけ、遊んでいるだけと言うかもしれません。しかし、やられている方には心に大きな傷となって残るでしょう。嫌なことを何度もされ、「やめて!」と訴えても繰り返すとなると、それはいじめでしょう。
4-3-2 公平でないケンカ
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複数人で1人を集中的に責めたり、力に差がある場合です。ケンカは対等な立場同士でのぶつかり合いです。お互いに主張し合い、気持ちをぶつけ合うものです。多数対1人というのはどう見てもフェアーな関係とは言えないですよね。公平でない立場で一方的に攻撃するのは、いじめと言えます。
4-3-3 金品を取られている
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物を取られてそのまま返ってこない、お金を要求されているという場合もあります。暴力を振るわれるのを避けるため、グループの輪の中にいるために金品を渡しているということもあります。物がよくなくなっている、お小遣いの減りが早いなど気になる点がある場合にはいじめの可能性がありますので注意が必要です。
5 まとめ
子供にケンカは付き物。ケンカをしつつもその度に絆を固くし、良い友人関係を築いて欲しいですよね。子供同士のケンカやトラブルに親が介入するには、その距離感がとても難しいのですが、自分の力で解決できるように気持ちに寄り添い、見守ってあげて、必要に応じて手を差し伸べることが大切なのではないでしょうか。