5 糖化を抑制することができる食事とは
糖は食事から摂取されるため、食事を意識することが糖化を抑制する方法のひとつとなります。食品選びのポイントをご紹介しますのでぜひ毎日の食事に取り入れてみましょう。
5-1 GI値の低い食品
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糖化を抑えるには急激に血糖値を上昇させない食品を選びましょう。その指標となるのが、GI(グリセミック・インデックス)値です。これはブドウ糖の血糖上昇率を100とした場合の血糖値が上昇する割合を数値化したもので、この値が低いほど血糖値の上昇は緩やかになります。
●炭水化物
白米やパンはGI値が高い食品です。春雨や蕎麦、全粒粉の食品、玄米などがおすすめです。
●野菜
でんぷん質が低く、食物繊維が多い野菜はGI値が低いです。キャベツなどの葉物野菜、ブロッコリーやピーマン、きのこ類がおすすめです。
●果物
りんごやいちご、メロン、グレープフルーツなどがおすすめです。ジャムや缶詰などの加工品は、GI値が高くなります。果物を食べるときはそのまま食べるとよいでしょう。
●乳製品
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、GI値が低い食品の代表格です。さまざまな食品に組み合わせやすいので上手に取り入れていきましょう。なお、加糖ヨーグルトなどはGI値が高くなるので注意しましょう。
5-2 抗糖化作用のある食品
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GI値の低い食品と併せてぜひ取り入れたいのが抗糖化作用のある食品です。
●お茶
緑茶をはじめ、ウーロン茶やプーアル茶には、AGEsの生成を抑制する作用があります。これはポリフェノールの一種である茶カテキンの作用だと考えられています。一方、コーヒーはAGEsを多く含んでいるので、1日に何杯もコーヒーを飲む方はお茶類に置き換えてみましょう。お茶は食事の前に摂取するとより抗糖化を期待することができます。
●大豆製品
大豆製品に含まれる水溶性ペプチドという成分には、血中の糖を吸収する細胞の窓口の数を増やす働きがあります。さらに、大豆製品にも血糖値の上昇を抑える効果があります。納豆や豆腐などは食事の前に食べると良いでしょう。
●クエン酸
クエン酸が多く含まれるお酢や柑橘類も抗糖化食品です。体の細胞にはブドウ糖を燃焼するクレブス回路という働きがあります。クエン酸はこの働きを高める作用があります。サラダを食べる時のドレッシングをお酢やレモン果汁に変える、朝食前にグレープフルーツなどの果物を食べることがおすすめです。
5-3 AGEsを含む食品は避ける
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積極的に摂取したい食品がある一方、控えたいのがAGEsを多く含む食品です。AGEsは体内で生成されるだけでなく、外部から摂取することでも蓄積されていきます。
とんかつや唐揚げ、ステーキ、焼き鳥などの揚げる、焼く、炒めるといった調理方法はAGEsが発生しやすいです。反対にゆでる・蒸す・煮るといった調理方法や、調理しない場合はAGEsが発生しにくいです。揚げ物、炒め物の食べ過ぎには注意しましょう。
5-4 人工甘味料を含まない食品を選ぶ
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ジュースや炭酸飲料、お菓子、缶詰などの甘味づけに使われる人工的な甘味料(果糖液糖・果糖ブドウ糖液糖・異性化糖など)は、ブドウ糖の10倍の速さでAGEsを生成します。購入の際は成分表示をしっかりチェックするようにしましょう。
6 抗糖化のために行いたい6つの習慣
摂取する食品だけでなく、その食べ方や日頃の生活習慣も糖化に影響を与えます。抗糖化を意識した習慣を身につけましょう。
6-1 朝食をとる
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朝食を食べないと空腹の時間が長く続きます。この状態で昼食をとると、食後の血糖値は急上昇してしまいます。そして、血糖値を下げるためにインスリンがすい臓から大量分泌され、今度は一気に血糖値が下がります。
このように血糖値が乱高下することで、糖化を過度に促進してしまいます。朝食だけではなく、1日3食を欠かさないことが大切です。
6-2 食間は2~3時間以上空ける
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食事と食事の間を十分に空けずに食べていると、どんどん糖が追加されて血糖値が高い状態が続いてしまいます。朝食の時間が遅くなった場合などは、いつも昼食をとる時間だからと無理に食べるのではなく、時間を調整するようにしましょう。
間食についても同様で、食事、間食、食事と間隔を空けずに食べていると、糖化しやすい状態が長く続くので注意しましょう。
6-3 ゆっくり食べる
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急いで食べると血糖値は急上昇します。そしてその食事のGI値が高いほど糖化しやすくなります。そのため、よく噛んでゆっくり食べると血糖値の上昇を緩やかにすることができ、糖化予防につながります。
また、食事を始めて20分ほどで脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌され、満腹感を得ることができます。しかし、早食いの状態で食事をすると、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまい、必要以上に糖を摂取してしまうので注意しましょう。
6-4 ベジタブルファーストを心掛ける
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食事をする際には、主食である米やパンなどの炭水化物の前に、食物繊維が豊富な野菜やきのこ類から食べるベジタブルファーストを心がけましょう。最初に野菜から食べることで食物繊維が糖質の吸収スピードを抑え、血糖値の急上昇を防ぐことができます。ただし、野菜なら何でもいいわけではありません。糖質の多い大根やレンコンなどの根菜やコーン、かぼちゃ、いも類はたんぱく質のおかずの後に食べましょう。
良い例となるのが懐石料理です。まず季節の野菜料理が出て、吸い物、刺身、煮物、揚げ物、蒸し物、ご飯と味噌汁、最後にデザートが出てきます。食物繊維が豊富でGI値の低いものから順に1品ずつ食べる懐石料理のスタイルは、抗糖化に理想的な食べ方と言えます。日頃の食事も食べる順番を意識するようにしましょう。
6-5 食後に運動をする
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ブドウ糖は体を動かすエネルギーです。体を動かして血液中のブドウ糖が筋肉で大量に消費されると、血糖値が下がります。食後1時間が血糖値が最も上昇するタイミングです。このタイミングで運動をすることでより効果的に糖化予防をすることができます。
6-5-1 有酸素運動がおすすめ
糖化対策としては、特に30分から1時間程度のウォーキングやジョギング、水泳やエアロビクスなどがおすすめです。有酸素運動は、血液中の糖を消費するため、余ってしまうことがありません。激しい運動を続けるのは大変なので、ウォーキングなどの継続可能な運動を習慣づけるようにしましょう。なお、運動時に糖分を含む飲み物を摂ると、急激に血糖値が上がります。運動時の水分補給は糖分をあまり含まないものを選びましょう。
6-6 質の良い睡眠をとる
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睡眠開始の2時間前後で分泌される成長ホルモンは、新陳代謝を活発にして、体の細胞の修復を促す働きがあります。睡眠不足になると新陳代謝が悪くなり、老化物質がうまく排泄されなくなってしまいます。抗糖化のためには、良質の睡眠を6~7時間とることが大切です。ちなみに、成長ホルモンが最も分泌される時間帯は22:00~翌2:00の間と言われています。なるべくこの時間に眠るようにしましょう。
6-6-1 湯船につかる
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質の良い睡眠をとるためには、湯船につかって体を温めてリラックスすることがおすすめです。就寝の2時間前までに入浴を済ませると、布団に入る頃には深部体温が下がるので入眠しやすくなります。熱いお湯は体の負担も多く、体を覚醒させてしまいます。38℃程度のぬるま湯に5~30分ほどつかりましょう。
6-6-2 ホットドリンクを飲む
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寝る前に温かい飲み物を飲むことも体が温まり安眠効果があります。温まった体温が少しずつ下がってくる頃が眠りやすくなるので、飲むタイミングとしては睡眠30分前頃が良いでしょう。
安眠効果のあるトリプトファンやカルシウムが入っている牛乳を使ったホットミルク、カモミールやローズウッドなどリラックス効果のあるハーブティー、胃腸に負担をかけずに体を温めることができる白湯などがおすすめです。脳を覚醒させる作用があるカフェインは避け、コップ1杯程度を飲みましょう。
6-6-3 目や脳を休ませる
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パソコンやスマートフォンのブルーライトは眠気を誘うホルモンであるメラトニンの分泌を崩し、安眠の妨げとなります。就寝前2時間程度は使用を控え、目や脳を休めて眠る準備をしましょう。
7 抗糖化サプリメントの活用もおすすめ
食事や生活習慣を見直すことは抗糖化にはとても大切です。しかし、これらを徹底的に実施することはなかなか難しいという方も多いはず。そういった方におすすめしたいのが抗糖化サプリメントです。我慢しすぎることはストレスになって精神的にもよくありません。サプリメントをうまく活用して無理なく糖化対策を行いましょう。
7-1 アムリターラ / エイジリリース
AGEs組成阻害作用のあるクマザサ、ポリフェノールが多く含まれていて果糖の吸収を抑える作用があるユーカリなど、抗糖化に効果的な7種類のハーブが配合されたサプリメントです。
販売価格:¥4,950(税込)
内容量 :60粒(30日分)
※2020年4月 公式サイト調べ
7-2 リゲイン / トリプルフォース
糖の代謝を促進するビオタミン、脂質の代謝を促進するパンテチン、エネルギー産生を促進するリバオールを配合した糖化ケアに着目したサプリメントです。
販売価格:¥4,620(税込)
内容量 :60粒(30日分)
※2020年4月 公式サイト調べ
7-3 日本製薬 / エージーイーシャット
果物の女王ともいわれるマンゴスチンに含まれる、水溶性ポリフェノールの一種ロダンテノンBを配合した糖化ケアサプリメントです。
販売価格:¥2,480(税込)
内容量 :31粒(約1か月分)
※2020年4月 公式サイト調べ
8 まとめ
体を内部から焦がす糖化は、日頃の食事や生活習慣を見直すことで対策することができます。できることからひとつずつ生活に取り入れていき、健康的な肌と体を維持していきましょう。
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