新型コロナウイルス感染拡大の影響により、マスクの着用が当たり前になりました。マスクをしていると顔の下半分が隠れてしまうため、顔全体では暗い印象になりがちですが、逆に視線が顔の上部にいきやすくなることで普段よりもさらに髪の印象、つまり「上顔（うえがお）印象」が重要になります。
今回は、ヘアライターの佐藤友美さんと大正製薬 落合由紀子さんに”コロナ禍で高まる髪の重要性”についてお伺いしました。
【プロフィール】
ヘアライター 佐藤友美さん
日本初のヘアライター＆エディター。
20年弱のヘアライター人生で、約4万人、200万カットのヘアスタイル撮影に立ち合う。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、日本はもとより、海外でも美容師向けの講演を行い、セミナーを受けた美容師はのべ3万人を超える。歯切れのいい解説でテレビ、ラジオ番組などで活躍する一方、ヘアアドバイザーとして全国の女性の髪の悩みに応え、高い満足度を得ている。
Contents
1 第一印象も第二印象も最終印象も髪が決める！最初に意識すべきは髪
出典：123RF
人の第一印象において髪が与える影響はとても大きいと言われています。アイドルや政治家、キャスターなどは髪型によって印象を演出しています。例えば、女性政治家はショートヘアで後頭部にボリュームをもたせていて、こうすることによって、知的さを演出しています。髪型の印象が全体の印象も決めているのです。
人の第二印象、既に会ったことがある人の印象も髪が重要です。普段の生活の中では正面から顔を見られることよりも、横顔や後ろ姿を見られていることが多いです。例えば、会社でデスクに座っている際、多くの場合、人から話しかけられるのは横か後ろからになります。したがって多くの人は、ほとんど髪しか見ずに、人を認識していることが分かります。また、最終印象も髪が決めています。
誰かを思い出す時、髪の毛の印象で人を覚えていることも多々あると思います。このように人の印象は髪が決めているため、意識すべきは髪なのです。
2 コロナ禍で高まる髪の重要性
大正製薬の落合由紀子さんによると、髪の毛のお悩みランキングは『1位：白髪、2位：ツヤ・パサつき、3位：毛量・立ち上げ・ボリューム』となっています。
「最近髪が細くなった、ボリュームが出づらい、ハリやコシがない・・・こんなお悩みを感じたことはありますか？」という質問に対しても約73％の人が「感じたことがある」と回答しているそうです。
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ヘアライターの佐藤友美さんも大正製薬の調査結果と同様「30代後半以降の悩みは3つに集約されており、ツヤ、白髪、ボリュームとなっている」と語りました。ツヤや白髪に関しては美容院や自分のヘアケアでなんとかすることができますが、ボリュームに関しては美容院や自分でも対処が難しいと感じる人が多く、一番深刻な悩みとなっているとのこと。
そんな悩みに対して佐藤さんは「髪のボリュームをコントロールする上でツヤやハリに影響する『髪密度』と、最近キーワードになっている『頭髪密度』が重要だ」と話しました。
2-1 『頭髪密度』とは
頭髪密度とは、単位面積あたりに生えている髪の本数のことで、人によって違いはありますが、日本人女性の髪の本数は1㎠あたり約180本以上（1つの毛穴から2～3本）が一般的とされています。具体的には、頭髪密度の現象とは次の3つのことを言います。
頭髪密度が減少するのは、ヘアサイクルの短縮化により、髪と毛包が十分に成長できなくなり、太く健康な髪に育たなくなってしまう現象が起きているからです。
2-2 髪のボリュームに関する悩みとは？
年を重ね、髪のボリュームが減少することにより髪の変化を感じる人は多く、『ボリューム感、抜け毛の量、ハリ・コシ、分け目の広さ』といったお悩みがあり、それらは「スタイリングが決まらない」「ペタンとつぶれる」ということで実感する人が多いことが分かっています。
2-3 頭髪密度をチェックする方法
頭髪密度をチェックする一つの指標として、普段生活している中でのちょっとしたことの変化を気にかけることで、頭髪密度の変化に気付くことができます。
2-4 『頭髪密度』ボリュームを保つ上で大切なこと
佐藤さんいわく、多くの人は髪の「毛」を気にしてケアしており、良いトリートメントを使うことを重視していますが、「頭皮」のケアをしていない人が多い印象とのこと。頭皮と顔は一枚の皮膚でつながっているため、スキンケア同様しっかりケアをする必要があります。
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特にケアをしてほしいのが紫外線。紫外線量の多い3～8月に受けたダメージの影響が、秋に抜け毛として表れます。日頃から日傘や帽子、頭皮にも使えるUVカットスプレーなどで対策を行いましょう。
また、朝にシャンプーをすることも避けたいという佐藤さん。夜寝ている間に頭皮から分泌される皮脂にはUVカット効果があるため、朝にシャンプーをしてしまうと皮脂が洗い流され、紫外線を直に受けてしまう状態になります。そのため、シャンプーはできるだけ夜のうちに行うようにしましょう。
2-4-1 分け目をなくすのもおすすめ
髪の分け目をなくすだけで頭頂部をふわっとさせることができ、それにより見た目年齢も変わります。指でジグザグに髪を分けるだけなので誰でも簡単にできます。また、髪を乾かすときに、いつもと違う分け目にして乾かすだけでもボリュームを出すことができるのでおすすめです。
3 まとめ
コロナ禍において顔の上半分「上顔」、すなわち『上顔印象』に注目が集まっていることが分かりました。人の第一印象も第二印象も最終印象も髪が決めており、ヘアケアが重要となっています。
また、お悩みで多い髪のボリュームをコントロールする上では『頭髪密度』とツヤやハリに影響する『髪密度』を上げることが大切です。ヘアケアに加え、頭皮のケアもしっかり行うことでこれらを改善することができます。
