あなたの子どもは水遊びが大好きですか?それとも苦手ですか?
この前までは水遊びが大好きだったのに、幼稚園でプールが始まったり、スイミングを習い始めたりといった突然のタイミングで水が怖くなったり、水遊びも苦手になってしまうことがあるようです。それはなぜなのでしょうか?
今回はそんな子どもの水嫌い、その理由と克服方法について考えていきましょう。
1 水を怖がる3つの要素
一度でも水が怖いという感情が芽生えてしまうと、楽しさよりも恐怖心が勝ってしまいます。この恐怖心は、子どもだけではなかなか払拭、克服することはできません。
そもそも水が怖いと感じる理由とはなんなのでしょうか。その要素を3つ挙げましょう。
出典:Pixta
1-1 顔を水につける
顔を水につけるのが怖いこと。これは、目や鼻、耳に水が入ってしまったことが理由になることが多いです。
1-2 潜る
水の中に潜るのが怖いこと。これは、過去にプールや海の底に足がつかなくて怖い思いをしたことや、息継ぎができず苦しい思いをしたことや水圧などが理由となる場合が多いです。
1-3 浮く
水に浮くのが怖いこと。水に対して恐怖心を抱いていると、自然と身体に力が入ってしまい、水の中に沈んでしまう感覚になることが理由になります。
2 水を怖がるきっかけ
水遊びが苦手な子のうち、ほとんどがお風呂も苦手にしています。中にはお風呂のシャワーは平気でも水遊びは苦手という場合や、その反対の場合もあります。水を苦手と思うようになるきっかけとは、一体どういったものなのでしょうか。
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2-1 プール、水遊びに潜む3つのきっかけ
子どもが水遊びを怖がるようになるきっかけは大きく分けて3つあります。その多くが何気ない出来事、体験によるものばかりです。
2-1-1 怖い体験
プールや海の深いところで足がつかず、怖い思いをしたという経験もきっかけとなる場合があります。または海の波が大きくて怖かった、上手に泳げないうちに溺れかけたりした体験がある子もこうした恐怖心によってトラウマになり、苦手になってしまうことがあります。
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2-1-2 不快感
水に潜った時に正しく呼吸ができず、大量の水を飲み込んでしまったり、鼻や耳に水が入ってしまってツーンとなったりした体験がとても不快でトラウマになってしまうこともあります。
2-1-3 水温
思っていたよりも水温が低かったということもきっかけになります。本格的なプールに慣れていない子などはお風呂のイメージで入水してしまい、頭の中で想定していた水温と異なり、慣れていない低い温度に驚いてしまったり、頭の中がパニックを起こし、それがトラウマとなるようです。
2-2 入浴時に潜む3つのきっかけ
入浴はプールと異なり毎日ですから、このお風呂でのトラウマがきっかけで水嫌いになってしまう子どもも少なくありません。入浴時に潜む、トラウマを作る3つのきっかけについて紹介します。
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2-2-1 ママへの恐怖心
お風呂の時間が子どもの眠い時間に当たってしまったときに、眠くて聞き分けが悪くなった子どもにイライラしたママが叱る場面、ありますよね?ママがいつも怒っているからお風呂が嫌いという、悪循環になってしまうケースも少なくないようです。
2-2-2 熱かった
プールの時とは逆で、お風呂のお湯の温度が熱いことがきっかけで、怖がるようになることもあります。
2-2-3 痛い思いをした
ほとんどはシャンプーの際ですが、きちんと目を閉じていなくてシャンプーが目に入り、痛かったというもの。これも、トラウマを作るきっかけになってしまうようです。
3 水嫌いを克服させる
トラウマとなっている原因はどれをみてもお分かりの通り、とても軽いものばかりなので、ママとパパが協力してあげることで、必ず水嫌いを克服することができます。では、どのように克服の手助けをしてあげたらいいのでしょうか。
親が焦ってしまうとトラウマをより深刻にしてしまいます。絶対に焦らず無理強いさせず、ゆっくり子どものペースに合わせて水に慣れさせていけば、簡単に怖いという感情を払拭でき、水嫌いを克服することができます。
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3-1 お風呂で克服
毎日の生活の中で1番水と触れ合う、お風呂で克服していきましょう。大切なのはママとパパも一緒になり、お風呂のおもちゃを使って、楽しい時間であるという感情を刷り込むことからスタートしましょう。
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3-1-1 目があけられない場合
おもちゃでキャッキャとテンションが上がった状態で、シャワーやじょうろ、手を使って、ちょっとずつ顔に水をかけてみましょう。もちろん突然かけると子どもがビックリしてさらに水嫌いになってしまうこともあるので、まずは手のひらにすくった程度の少量から始めてみてください。
水鉄砲のようなおもちゃを使うのも、子どもを楽しい気分にさせてくれます。子どもはママやパパの真似が大好きなので、一緒になって水のかけ合いをするようになるでしょう。
3-1-2 顔を水につけるのが怖い場合
沈むタイプのおもちゃを浴槽に沈めて、ゴーグルや水中メガネを使って宝探しをしてみましょう。
水がとても楽しいものだという印象をつけるには、ゲーム感覚でやるのが有効です。おもちゃでなくても、水の中でママと手を繋いで、水中メガネで見るというのも楽しいものです。
徐々に恐怖心は薄れ、沈んでいるおもちゃを拾おうと自分から顔を水につけられるようになるでしょう。その際は、水の中では鼻から息を出すことを忘れずに伝えてあげてくださいね。
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3-1-3 潜るのが怖い場合
水に顔をつけるのは平気なのに、潜ろうとすると恐怖心が出てくる子の多くは、水圧による圧迫感や、プールの底に足がつかないことが原因になっていることが多いです。その場合には湯船の中で足をつけたまま潜る練習をしましょう。水圧も低く、足が床についているという安心感を感じられれば、自然と潜ることが上手になっていきます。浅いところで潜ることが平気になってきたら、徐々に深くなるタイプのプールなどを使って練習しましょう。
最初のうちは、お風呂であっても恐怖心を和らげる目的として、潜っている間、ママやパパが手を繋いであげるのもおすすめです。
3-1-4 水に浮かぶのが怖い場合
潜ることができるのに、浮かぶのが苦手という子も実は少なくありません。恐怖心から身体に力が入り、なかなか上手に浮くことができなかった経験がある、もしくはそういった感覚になったことがあるのでしょう。こういった場合には、ママやパパがお風呂の中で身体をしっかり支えてあげることが大切です。支えることで子どもが安心感を得られ、身体の力も抜け、浮くことができるようになります。
3-2 水に慣れる
お風呂に慣れたら次のステップとして、水に慣れるようにしましょう。
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3-2-1 水温に注意
水の温度にも気をつけてあげましょう。熱くもなく、冷たくもない適温設定しておきましょう。適温は25~40℃くらいといわれています。随分と幅があるように思えますが、これを目安として季節や子どもの好みなどに応じて各自で適度な水温になるよう調整しましょう。
3-2-2 足から入水
水に入る際は必ず足からゆっくり入るように促しましょう。全身に水がかかると、水嫌いの子は突然嫌いな水に襲われたことからパニックを起こしてしまいます。
3-2-3 ママ、パパと一緒に
ママやパパが一緒に水の中に入ってあげることで、恐怖心を払拭することができます。克服の場というよりは、お風呂用のおもちゃ、水遊びセットを使って、遊んで水を楽しむ感覚で十分です。
4 克服にあたり、親が気をつけるべき4つのポイント
子どもの水嫌いを克服するために、ママとパパが気をつけてあげるべきポイントが4つあります。これらのポイントを守り、克服に協力しましょう。
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4-1 無理強いさせない
もちろん早めに克服した方がプールや海水浴、楽しいイベントや家族行事の選択肢も広がりますし、小学校ではプールの授業もあるでしょうから、学校でも困りません。
ただ、当の本人はそんなことはどうでもよく、困ったり、焦っているのはママやパパ。早く克服させなきゃと焦るあまり、怖がっている子どもの思いを無視して、無理やりやらせたり、強引な方法をとってしまうと恐怖心や苦手意識は増すばかりでトラウマを悪化させてしまうこともあります。
4-2 過剰にサポートしない
これは案外難しいと思うのですが、子どもができないことに対して、過剰にサポートし過ぎないこともポイントです。あまりにもサポートしてしまうと、親と一緒だとできるのに友達と一緒だとできない、ということになりかねません。
「サポートすべき」「突き放すべき」このバランスをとり、丁度良くサポートするのはとても難しいですが、克服や上達レベル、その子の性格をしっかりと見極めましょう。
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4-3 怒らない
子どもができない、怖がるからといって怒らないことはとても大切です。なかなか親が想定しているようにスムーズには克服しません。するとついつい苛立ってしまうことがあるかもしれません。子どもはとても敏感ですから、ママの声のハリや高さがいつもとちょっと違うだけでも怒られていると感じ取ってしまいます。怒られると萎縮しますし、ママも怒るし水は嫌いという意識が強まってしまい、克服どころかトラウマを増強することになってしまいます。親は焦らず、子どもと一緒になり楽しむことが大切です。
4-4 褒める
克服した時には、たくさん褒めてあげましょう。苦手なことを克服し、できるようになると嬉しい、楽しいというイメージづけることによって、より進歩、克服しやすくなります。良いところ、頑張っていることは褒めて伸ばしましょう。
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5 まとめ
いかがでしたか?
大人ですら自分が苦手なものや怖いものを克服するのにはとても時間がかかると思います。それを子どもは小さい身体でその恐怖心を受け止め、一生懸命克服するのですから、ママもパパもどうか焦らさずに子どものペースに合わせ、ゆっくり慣らしてあげるように心掛けましょう。
焦ったり、無理やりさせることでなく、子どもの心に寄り添って、水遊びが楽しいものという意識を擦りこみ、植えつけてあげることが水嫌いを克服する1番の近道なのです。