
夏真っ只中!メイク崩れや洋服の汗染みなどを引き起こすほどの発汗はできれば避けたいところですが、暑い夏にはどうしても汗をかくもの。
しかし、普段の生活を改善することで多汗症の症状が軽減する可能性があるのです。
今回は、汗を気にせず夏を楽しむために、今日からできる多汗症対策について一緒に見ていきましょう。
1 人が汗をかくメカニズム
1-1 体温調整のために人は汗をかきます
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私たち人間は、汗をかくことで体温調整を行っています。運動をして体温が上がったときや、気温に合わせて体温を調節する必要があると、自律神経が働き、全身から発汗します。
1-2 必要以上に汗をかく場合、自律神経のバランスが乱れている可能性も
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自律神経のバランスがしっかり取れている場合は、その後体温が下がることで自然に汗は引くものです。しかし、自律神経の一種である交感神経が過敏になっていると、過剰に汗が分泌され続けてしまいます。
これまで多汗症の原因は、緊張による精神的ストレスだと考えられてきました。それも間違いではありませんが、正確には多汗症は交感神経と副交感神経のバランスが崩れていることが原因なのです。
交感神経が過敏になる理由は、必ずしも精神的ストレスだけが要因というわけではありません。普段の生活や食事なども大きく影響するため、まずは自分がなぜ多汗症になっているのか理由を突き止め、生活習慣を改善していく必要があります。
2 多汗症の主な原因は4つ
急に汗が止まらなくなったり、身体が火照ったような感覚になったことはありませんか?遺伝や体質のせいだと諦めていたそのような症状も、もしかしたら普段の生活を見直すことで軽減する可能性があります。多汗症を改善するためにはまず原因を知り、普段の生活を振り返ってみることから始めましょう。
多汗症の主な原因は、以下の4つです。
2-1 緊張・ストレス
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緊張やストレスは、多汗症の最大の原因だと考えられています。
心配事や不安な場面に直面すると、心拍数が上がり血圧が上昇します。それを脳が下げようとして発汗します。しかし、精神的ストレスにより自律神経が失調しているため、制御が効かない状態になってしまい、汗が出続けてしまうのです。
2-2 食生活の乱れ
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多汗症の人は通常よりも汗腺が過敏になっているため、辛い食べ物や熱い食べ物、塩分や油分の多い食事を食べると過剰に発汗してしまいます。
また、カフェインが含まれるチョコレートやコーヒー・紅茶にも注意が必要です。カフェインには、交感神経を刺激する中枢神経興奮剤という物質が多く含まれており、摂りすぎると過剰な発汗の原因にもなり得ます。
2-3 ホルモンバランスの乱れ
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私たち女性が特に気をつけたいのが、ホルモンバランスの乱れによる多汗症です。
睡眠不足や月経周期、スマートフォンやパソコン画面の見過ぎなど、些細なことでも女性の身体には大きな負担になります。
また、夏場に冷たい食べ物や飲み物ばかり摂ることも、ホルモンバランスを崩し、多汗症になる原因になります。
2-4 更年期障害
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最近では若年化も指摘されている更年期障害は、加齢によりホルモンバランスが崩れることで起こる、さまざまな症状の総称です。そんな更年期障害の症状の1つに、多汗症も含まれています。
あなたも「ホットフラッシュ」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?ホットフラッシュは、顔や四肢が急に火照ってのぼせたようになる症状のこと。自律神経の乱れでもこの症状はみられるので、年齢関係なく気をつけたいところです。
3 今日から実践!多汗症対策3選
多汗症には自律神経やホルモンバランスが深く関わっていることがわかりました。しかし、私たち女性にとって、精神的ストレスや自律神経の乱れなどを解消するのは容易ではありません。しかし、できることならボトックス注射や手術などはせずに、普段の生活を変えることで根本的に多汗症を改善したいですよね。
それでは、具体的にはどのようなことに気をつけるといいのでしょうか?
3-1 「まごわやさしい」の食生活を意識しましょう
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私たち日本人が昔から食してきた和食は、身体に必要な栄養素をバランスよく含んだ理想的な食事です。
・ま・・・豆類
・ご・・・ごま
・わ・・・わかめ(海藻)
・や・・・野菜
・さ・・・魚
・し・・・しいたけ(きのこ類)
・い・・・芋
頭文字をとった「まごわやさしい」の食事を意識し、辛いものや脂っこいものを控えることでホルモンバランスを整えましょう。
3-1-1 多汗が気になる人に控えてほしいもの2選
● カフェイン
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汗腺の働きを活性化させてしまうカフェインを避けることも、多汗症には有効です。
しかし、コーヒーや紅茶・チョコレートなど、カフェインを含むものは依存しやすい傾向があるため、徐々に控えていくことをおすすめします。代わりに、ルイボスティーやカフェインレスのコーヒーなどを取り入れると、無理なくやめることができるのではないでしょうか。
● アルコール
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アルコールには発汗作用があります。汗が気になる方は、アルコールを控えましょう。
3-2 軽いスポーツで意識的に汗をかきましょう
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ウォーキングなどで、ゆっくりと汗をかくのも多汗症には効果的です。
「多汗症対策にはスポーツ」といってもピンとこないかもしれませんが、軽い運動をしてじんわりと汗をかくことで、乳酸という疲労物質が身体に溜め込まれるのを防ぎます。この乳酸が身体に溜まっていると、多汗症だけでなく臭いのある汗の原因にもなるため、日ごろから意識的に汗をかき、乳酸を溜め込まないようにしましょう。
忙しくて時間が取れない毎日の中でも、家事中や子どもが公園で遊んでいるときに足踏みするだけでも効果はありますよ。
3-3 多汗症対策アイテムも上手に取り入れましょう
生活習慣の改善は、根本的な多汗症の改善には効果があるものの、即効性はありません。多汗症を気にせず毎日を過ごすためには、生活習慣の見直しと並行して多汗症対策アイテムを取り入れることをおすすめします。
3-3-1 ミョウバン水
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最近では、ドラッグストアなどに行くと豊富な種類の制汗剤が販売されていますが、人によっては肌に合わなかったり、効き目が感じられない場合も多いようです。
そんなときに試していただきたいのが、手作りのミョウバン水です。ミョウバン水の原液をつくり、これを10倍ほどに薄めて、汗が気になる部分に吹きかけます。
● ミョウバン水の作り方
・水道水・・・1.5L
・ミョウバン・・・50g
水道水1.5Lに対して、薬局などで売られている焼きミョウバン50gを混ぜたものを2~3日置いておくだけで、ミョウバン水の原液は完成です。作った原液を水で10倍に薄めてスプレー容器に入れ、汗が気になる箇所にスプレーしましょう。
焼きミョウバンには殺菌作用や制汗作用、収れん作用があり、多汗症や汗の臭いに優れた効果を発揮します。ミョウバン水を作るときは保存性を考えて、精製水ではなく水道水を使うようにしてくださいね。
● ハッカのアロマオイルもおすすめです
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ミョウバン水と合わせて、ハッカのアロマオイルにも制汗作用があるためおすすめです。
・無水エタノール・・・10ml
・ハッカ油・・・5滴
・ミョウバン水の原液・・・10ml
・水道水・・・80ml
全てを容器に入れてよく振れば、手作りの制汗アロマスプレーの完成です。100円ショップなどで販売しているスプレーボトルに入れて使いましょう。
制汗作用だけでなく消臭・殺菌作用もあり、子どもから大人まで安心して使える万能なスプレーです。
3-3-2 脇汗パッド
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脇汗をかきすぎて洋服にシミができていたなんて経験、あなたにもありませんか?脇汗パッドは買うときの恥ずかしささえ乗り越えれば、日常のそんなアクシデントを防いでくれる救世主。「汗でシミができてしまうかも・・・」という精神的不安要素が取り除かれるだけで自律神経が安定し、汗の量まで軽減するかもしれません。
● リフ あせワキパット あせジミ防止・防臭シート お徳用 モカベージュ 40枚
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3-3-3 皮膚圧反射を活用しましょう
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人間の身体は「皮膚圧反射」という機能が備わっており、身体の圧迫されている部分から上は汗が減少するようにできています。この皮膚圧反射を利用し、両手で同時に両側の乳房の上から脇の下あたりの皮膚を強くつねってみましょう。そうすることで、つねった部分から頭までの汗が一時的に減少します。
脇や顔の汗が気になる方は、ぜひ試してみてくださいね。
4 まとめ
夏の暑い季節は、誰でも汗をかいてしまうもの。とはいえ、同じ環境にいるはずなのに、他人より汗をかいているなんてことは避けたいですよね。
多くの人が悩む多汗症は、日々の生活習慣の積み重ねで改善できることもあります。多汗症対策アイテムを取り入れつつ日々のライフスタイルを見直し、汗を気にせず暑い夏を楽しみましょう。試してみても、汗が気になる場合は病院を受診するようにしましょう。