化粧品の広告などでよく目にする”パラベンフリー“という言葉。聞くだけだと肌に良さそうな感じがします。
では実際のところはどうなのでしょうか?実はよく知らなかった!という方は必見です。
1 パラベンとは何か
出典:PIXTA
よく耳にするパラベンとは、「パラオキシ安息香酸~」という名称で記載される防腐剤のことです。
その名の通り腐るのを防いでくれます。
低刺激で安全性が高く、化粧品以外にも食品や飲料水、医薬品など普段私たちが口にするものにも含まれています。
2 パラベン入り化粧品とフリー化粧品の違い
出典:PIXTA
パラベンフリーやノンパラベンと書いてあるものには、パラベンは入っていません。
次はその違いについて詳しく見ていきましょう。
2-1 パラベン入り化粧品
パラベンが敬遠されるようになったのはなぜでしょうか?
それは、1965年に遡ります。
厚生労働省が薬事法で制定した、「表示指定成分」というものがありました。
これは、使用する人によって肌トラブルやアレルギー反応を引き起こす可能性のある成分・物質については記載をしなければならないというものです。
実はパラベンはこの表示指定成分の一覧に入っていました。
当時の「記載があるもの=肌に良くない」というイメージが、パラベンを悪者と化してしまったという経緯があります。(2001年以降から今現在は化粧品の全成分を記載するように定められています。)
出典:PIXTA
パラベンは防腐剤の中で最も安全性が高いと言われています。
化粧品に配合して良いとされるパラベンの量は1%未満と決まっており、商品ごとの処方によって異なるものの実際に入っているのは、0.1~0.5%ほど。
パラベンは少量でも効果抜群なのです。
また、パラベンは昔から安定的に使われている防腐剤のひとつでもあります。
まとめると、パラベン入り化粧品は腐りにくく安心安全で、肌に良くないということはありません。
ただ、昔に表示指定成分に記載されていた過去があるためイメージが悪いということなのです。
2-2 パラベンフリー化粧品
出典:PIXTA
では逆に、パラベンフリーの化粧品の特徴にはどういったものがあるのでしょうか?
パラベンをはじめとする防腐剤が入っていない化粧品はどうしても腐りやすくなってしまいます。
そのため、パラベンフリーの化粧品にはパラベンに代わる別の防腐剤が使用されています。
カビが生えたり、腐ってしまった化粧品を肌に塗ると、異常やトラブルが起きる原因になります。
そういったことを防ぐために、化粧品にはなにかしらの防腐剤が使用されているのです。
3 天然由来成分の真相
出典:PIXTA
天然成分=安全安心、とは限りません。
天然成分と言われ、最近よく使用されている防腐剤に緑茶由来のフェノキシエタノールというものがあります。
こちらはパラベンより防腐力が弱いので、同じ効果を発揮するためにはパラベンより多くの量を配合しなければなりません。
つまり、肌にやさしいはずの天然由来成分が逆に肌へ負担をかけてしまう恐れがあるのです。
パラベンフリーやノンパラベンと記載されている多くの製品には、フェノキシエタノールが使用されていることが多いです。
心配な方は成分表記をよく確認し、購入前に必ずサンプルで試してみることをおすすめします。
4 まとめ
嫌われがちなパラベンですが、決して悪いものではないということがお分かりいただけたかと思います。
世の中はたくさんの化粧品で溢れています。
今回お教えした内容を踏まえた上で、今後の化粧品選びに役立てていただけたら幸いです。