
PEEK-A-BOO / 代表 川島文夫さん
・PROFILE
1971年ロンドンのヴィダルサスーンに参加し、フランスやイタリアなどで活躍する中、1975年に帰国。1977年東京・表参道に「PEEK-A-BOO」をオープン。以後、確かな技術と洗練されたスタイル提案で、第一線に立ち続けている。カリスマと呼ばれる美容師からもリスペクトされる、日本の美容師界の開祖とも言われる人物。
前回、「WASH & GO」「WASH & AIR」という、忙しい現代女性のライフスタイルに沿った提案をしてくれた、美容業界のカリスマ中のカリスマである川島さん。今回は、その提案を実現したヘアスタイルを作ってもらった。
前回の記事はコチラ>>【PEEK-A-BOO 川島文夫 Part1】働く女性に提案するヘアスタイルは「WASH & GO」「WASH & AIR」
――今回提案してくださったヘアスタイルは、思い切ったショートですね。
僕が1970年代初頭、初めてロンドンに行ったときは、逆毛を立てたスタイルや斬新に切られたAラインボブなど、“ライン”の強いスタイルが多かった。僕はショートヘアの髪の動きは、日本人の魅力を引き出すと思っているので、それを土台にしたショートヘアを提案したいと思っています。
最近、「抜け感」という言葉を耳にしますが、僕はその言葉はあまり好きじゃない。僕が提案するのは「Undone(=未完成。この場合“無造作”など)」。きちんとした髪型なんだけど、作り過ぎない。風が吹いているわけじゃないけど、揺れ動いている感じがする。ヘアカットは建築と同じで、ベースがしっかりしていれば絶対に壊れない。漠然と切るのではなく、髪の1本1本がどの方向に落ちるか、しっかり見極めた上でカットをしなければいけないのです。
――モデルさんのスタイルの、カットのポイントを教えてください。
骨格に合わせてレイヤーを入れた、グラデーションカットがベースです。襟足とサイドは自然に短くして、トップと後頭部は長めに残して高低をつけます。この“奥行き”が知的な印象を与えます。“知的”じゃないショートヘアは、おしゃれではない。ショートヘアは常に“知的に見せること”。そこに向かってデザインしなければならないのです。
――ヘアアイロンやカーラーを使わずに、ブローだけでこんなにボリュームが出ることに驚きです。
先ほど後頭部にボリュームをつけると言いましたが、膨らみすぎはNG。そのあたりを見極めながら、根元からブラシを入れ、ドライヤーの熱を与えながらしっかり立ち上げる。指で前髪を自然にサイドに流して、動きをつければできあがり。道具をいろいろ揃えなくても、10本の指があればどんな髪型だってできるんです。
――カラーリングについて、ご説明をお願いいたします。
表面に明るい色と暗い色をすじ状に入れて、立体感や動きを出す「ウィービング」を取り入れています。こうすることで髪の傷みを軽減することが可能になります。さらに、根元にはハイライト、毛先にはローライトを入れ、さらに深みや奥行きを出しています。ヘアカラーは地毛の髪色より2レベル上げて、華やかさを出すことがアンチエイジングの基本です。
――モデルさんのアレンジヘアについてのご説明もお願いいたします。
トップと中間をヘアアイロンで巻いて、パーティー仕様の華やかアレンジに仕上げました。長い髪は25mm、短い髪は19mmとヘアアイロンを使い分けています。仕上げは手で無造作にかきあげて、ニュアンスをプラス。こんな思いきったゴージャス感が出せるのが、ショートヘアのいいところだと思います。
――最後にBeauty Airをご覧のみなさんにメッセージをお願いいたします。
ヘアスタイルもヘアケア剤も、自分にどんなものが合うのか、試してみなくちゃわからない。自分に合うものを探し求める、その“旅”が美しさを加速させます。何もしないでキレイにはなれません!思い切って挑戦してみてください。すべてのヘアカットはデザインから始まります。そのデザインを生み出すのは、我々PEEK-A-BOOです。スタッフ一同、日々気合いを入れて笑顔でお待ちしております!
PEEK-A-BOOでは肌、髪、頭皮に合わせて開発されたサロンコスメティックス「エステシモ」を使い、髪、頭皮、心の3つをケアし、健康でストレスのない髪の状態に整える「エステシモ ヘッドスパ」(¥6、000~)など、オリジナルのヘッドスパメニューも充実しています。
【PEEK-A-BOO 青山】
東京都港区北青山3-6-16表参道サンケイビル2F
TEL:03-5466-6311
10:00~21:30(火~金曜)
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定休日:月曜日
カメラ(スチール、動画)/大根大和
取材・文/山西裕美(T.V.エディターズ)