
美容ライター
池内 恵美
化粧品メーカー勤務11年。前半は研究開発部門、後半は営業部門で作り手と消費者の両者の立場でアドバイスします。
アミノ酸系界面活性剤やラウレス硫酸、ラウリル硫酸界面活性剤はよく聞きますが、「スルホコハク酸界面活性剤」という界面活性剤を知っていますか?
スルホコハク酸界面活性剤であるスルホコハク酸(12-14)パレス-2Naは比較的洗浄力も泡立ちも良く、皮膚への刺激が少ない洗浄成分です。
Contents
1 スルホコハク酸(12-14)パレス-2Naについて
出典:PIXTA
1-1 スルホコハク酸(12-14)パレス-2Naとは
アミノ酸系などよりも若干高い洗浄力や良い泡立ちを持つ洗浄成分です。
分類はアニオン(陰イオン)合成界面活性剤です。合成ポリマーでもあります。ポリオキシレンアルキル(12~14)スルホコハク酸ニナトリウムとも呼ばれています。C12-14のアルキル基を含むアルコールに酸化エチレンを負加重合したものや、スルホコハク酸とのエステルで作られたものです。
1-2 スルホコハク酸(12-14)パレス-2Naの特徴
スルホコハク酸自体はそれほど洗浄力が強くありませんが、泡立ちが良いという特徴があります。アミノ酸系洗浄剤より泡立ちが良く、皮膚に対する刺激が中程度ですので、低刺激を謳うシャンプーの洗浄力を増やすために配合されることが多いです。
また、洗浄力や脱脂力が強すぎる成分の働きを弱めるために配合されることも多いです。
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2 アミノ酸系界面活性剤と硫酸系界面活性剤とはどう違うの?
2-1 アミノ酸系界面活性剤とは
出典:PIXTA
髪に近い成分で、数ある洗浄成分の中でも頭皮や髪に優しく刺激が少なくて安全性が高い洗浄成分です。
アミノ酸系の成分は、表示名称の中で「グリシン、メチルアラニン、グルタミン酸、メチルタウリン、サルコシン」等の言葉が含まれています。
2-2 硫酸系界面活性剤とは
出典:PIXTA
硫酸系界面活性剤は「ラウリル硫酸Na」や「ラウレス硫酸Na」が代表する成分として有名です。
2つの違いはラウリルの方が分子が小さく肌に浸透しやすく、ラウレスの方が分子が大きい分、浸透しにくいという点です。どちらも洗浄力や脱脂力、刺激においてとても強い界面活性剤です。過分な皮脂や外的要因汚れ(ヘアワックス、ヘアオイル等)をしっかりと洗い上げます。
しかし、洗い過ぎや多配合の場合は髪がパサついたりギシギシしたり、頭皮の乾燥につながります。
2-3 スルホコハク酸(12-14)パレス-2Naはどっちの洗浄成分に似ているの??
アミノ酸系界面活性剤と硫酸系界面活性剤の中間です。スルホコハク酸(12-14)パレス-2Naは比較的洗浄力も泡立ちも良く、皮膚への刺激が少ないです。
3 まとめ
スルホコハク酸(12-14)パレス-2Naはバランスのとれた洗浄成分です。アミノ酸系界面活性剤は髪や肌に優しいですが洗浄力が低いため、汚れを落としきれない場合もあります。硫酸系界面活性剤は汚れをしっかり落としますが、乾燥を招くなど皮膚への負担があります。
その中間がスルホコハク酸(12-14)パレス-2Naです。しかし、この1つの界面活性剤だけでは良いシャンプーは作ることができません。たとえ、肌に刺激がある成分が配合されていても全成分表示の後半に書かれている場合は、配合量が少ないと言えます。いくつかの界面活性剤がバランス良く配合されているシャンプーを選ぶことをおすすめします。