石鹸シャンプーをご存知ですか?ナチュラル志向な人たちの間で人気があり、一般的なシャンプーから石鹸シャンプーに変える方も増えてきています。また、髪や頭皮に良いと言われ、ダメージヘアや薄毛、抜け毛など髪のトラブルを抱えている方にも注目されています。
しかし、一方ではおすすめできない、使うべきではないなどの否定的な意見もあります。今回は石鹸シャンプーとはどういったものなのかをお話します。良いのか悪いのか、自分に合っているのかを見極める参考にしてください。
◆ 最終更新日:2019年3月20日
Contents
1 石鹸シャンプーとは?成分表示からの見分け方
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配合成分の主成分が、石けん素地、カリ石けん素地、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムとなっているものが石鹸シャンプーになります。
この主成分である石鹸系洗浄成分に、保湿剤や香料、保存料などが配合されて石鹸シャンプーとしているものが多いのですが、主成分の石鹸系洗浄成分だけで作られたものもあり、それらは無添加石鹸と呼ばれています。
2 石鹸シャンプーとほかのシャンプーとの違い
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石鹸シャンプーのほかには、ドラッグストアなどでよく見る高級アルコール系シャンプーやアミノ酸系シャンプーがあります。これらのシャンプーが中性や弱酸性なのに対し、石鹸シャンプーは弱アルカリ性です。もともと弱酸性である毛髪をアルカリ性に傾けてしまうので、髪を酸性に戻すために専用のリンスとセットで使うことを推奨しています。
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3 石鹸シャンプーの5つのメリット
石鹸シャンプーを使うことで髪や頭皮にはどのような効果があるのでしょうか。そのメリットを見ていきましょう。
3-1 アレルギーの心配がない
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石鹸シャンプーは非常にシンプルな作りです。それはパッケージの成分表示を見ると確認することができます。一般的なシャンプーは複数の洗浄成分、コーティング成分、香料などたくさんの成分が記載されています。
一方、石鹸シャンプーは水、石けん素地のみという場合やそれに加えてグリセリンなどの保湿成分など最低限のもののみが配合されています。添加物や不要な成分が含まれていないので、アレルギーの心配をせず使うことができます。
3-2 洗浄力が高い
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石鹸シャンプーはしっかりとした洗浄力を持っています。高級アルコール系シャンプーに比べると洗浄力は穏やかですが、ワックスなどのスタイリング剤をはじめ、髪や頭皮の汚れや脂分をきれいに落とす力を持っています。
3-3 洗い上がりがふんわり軽い
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石鹸シャンプーにはシリコンなどの髪をコーティングする成分は配合されていません。シリコンは髪をコーティングして指通りを良くしてくれますが、洗い上がりはしっとりと少し重たくなります。石鹸シャンプーはこのコーティングがないので、髪はまっさらな状態になり、ふんわりと軽い仕上がりになります。
3-4 環境に優しい
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石鹸シャンプーは環境にも優しいです。植物性や動物性のオイルなどの天然成分を原料としているので生分解性が高く、早く自然に還ることができます。
シャンプーの成分によっては分解される際に赤潮などの原因になる窒素化合物が生成されます。その点、石鹸シャンプーには窒素やリンが含まれていないので窒素化合物が生成されることはありません。この点でも環境に優しいと言えます。
3-5 財布に優しい価格
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価格が安いというのも石鹸シャンプーの魅力の1つです。石鹸シャンプーと同様に髪や頭皮に良いと言われているアミノ酸系シャンプーは一般的なシャンプーに比べて価格が高く、コスト面が気になってしまいます。
一方、石鹸シャンプーはほとんどの商品が1,000円未満で購入することができます。シャンプーは毎日使用するものですから、低価格というのは嬉しいですね。
4 石鹸シャンプーのデメリット
石鹸シャンプーのデメリットについても見ていきましょう。
4-1 髪がきしむ
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最も大きなデメリットとして挙げられるのが髪のきしみ感です。石鹸シャンプーはシリコンなどのコーティング成分が配合されていません。そのため、指通りが悪くきしみを感じるのです。髪にダメージがある方ほど、きしみを大きく感じるでしょう。また、石鹸シャンプーは弱アルカリ性であるため、キューティクルを開いてしまいます。適切なケアをしないとキューティクルが開きっぱなしになり、きしみ感がひどくなってしまいます。
4-2 髪質によっては洗浄力が強すぎる
メリットにも挙げられていた洗浄力の強さですが、人によってはデメリットになってしまいます。頭皮を健康に保つために必要な皮脂まで洗い落としてしまうと頭皮は乾燥してしまいます。そしてそれを改善しようと必要以上に皮脂が分泌されることで頭皮環境を悪化させ、抜け毛などの原因となってしまいます。もともと皮脂の少ない乾燥肌の方は注意しましょう。
4-3 ヘアカラーやパーマが落ちやすくなる
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石鹸シャンプーは弱アルカリ性なので、髪のキューティクルが開いてしまいます。そのため、髪の内部に浸透させたカラーリング剤やパーマ剤が流出しやすくなり、落ちが早くなってしまうのです。ヘアカラーやパーマをした場合には、石鹸シャンプーの使用は控えた方が良いでしょう。
4-4 フケが出る
一般的なシャンプーから石鹸シャンプーに変えたらフケが出るようになったという口コミもあります。シンプルな作りである石鹸シャンプーは他のものに比べて、保湿成分やフケ防止剤、かゆみを防ぐための抗菌剤などが配合されていません。そのため、頭皮が乾燥してフケが出るのです。
また、髪に残った石鹸カスがフケのように見えている場合もあります。石鹸の成分は水道水に含まれているミネラルと反応してこれが白い粉状になり、髪や頭皮などに付着するとフケのように見えるのです。
4-5 髪がベタつく
髪がベタつく原因は髪や頭皮に残った石鹸カスです。石鹸の成分と水道水に含まれるミネラルが反応すると脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムを作り出し、石鹸カスとなります。石鹸シャンプー専用のリンスを使って髪をアルカリ性から酸性に戻す際に、この石鹸カスの一部は脂肪酸に変化します。髪の表面上に脂肪酸が多くなると髪がベタついてしまうのです。
5 石鹸シャンプーに向いている人はこんなタイプ
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石鹸シャンプーは髪の状態によって向き不向きがはっきりしています。そのため、とても良いという意見と使うべきではないという真逆の意見があるのです。使用する前にはご自身と石鹸シャンプーとの相性を確認してみてください。
5-1 脂性の方
石鹸シャンプーは比較的洗浄力が高いシャンプーです。もともと脂分の分泌量が多い方にとっては洗い残しをすることがなく、すっきりとさせることができるのです。
5-2 アレルギーのある方
アレルギーに悩んでいる方にとって、配合されている成分が少なくシンプルな石鹸シャンプーは強い味方となります。一般的に広く流通している高級アルコール系シャンプーでかゆみやアレルギー反応が出たという方は、石鹸シャンプーを試してみるのも良いでしょう。
5-3 ヘアカラーやパーマをしていない方
ヘアカラーやパーマをしておらず、髪があまりダメージを受けていなくて健康な方には石鹸シャンプーが向いています。コーティング剤などの余計なものが入っておらず、髪本来の状態にしてくれるので、髪にコシやハリが出てボリュームアップ効果も期待できます。
5-4 男性の方
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男性は女性よりも皮脂の分泌量が多いので、石鹸シャンプーの洗浄力がぴったりです。洗浄力の弱いシャンプーだと、皮脂の洗い残しによって薄毛や抜け毛の原因になるので、石鹸シャンプーでしっかりと皮脂を洗い流すことがおすすめです。
6 石鹸シャンプーを効果的に使うポイント
石鹸シャンプーのデメリットを減らし、より効果的に使用するには、正しい使い方を知る必要があります。ポイントをしっかりと抑えて使えば、石鹸シャンプーのメリットを存分に味わえるでしょう。
6-1 酸性リンスを併用する
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石鹸シャンプーはアルカリ性です。そのため、洗い上がりの髪は本来の弱酸性からアルカリ性に変わっています。アルカリ性の状態ではキューティクルが開いたままになり、髪はダメージを受けやすい状態になり、きしみもひどくなります。
そこで、酸性リンスを使用して、髪をアルカリ性から弱酸性に戻してあげるのです。石鹸シャンプーと酸性リンスはセットになって販売されていますので、同ブランドでライン使いすると良いでしょう。
6-2 正しくシャンプーを使用する
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石鹸シャンプーはアルカリ性という特性により、キューティクルが開きます。また、シリコンなどのコーティング剤が配合されていないため、髪同士の摩擦でダメージを受けやすくなってしまいます。正しい方法でシャンプーを行うことでダメージを抑えましょう。
6-2-1 シャンプー前にブラッシングをする
髪を濡らす前にブラッシングをし、あらかじめ髪の絡まりをほぐしましょう。ブラッシングをすることで付着したほこりや汚れを落とすことができるほか、シャンプーの泡立ちが良くなります。
6-2-2 予洗いをする
まずは髪と頭皮をお湯のみで洗います。頭皮をマッサージするようにして行うと毛穴の皮脂や汚れを浮かすことができます。また、熱すぎるお湯は乾燥の原因にもなりますので、38℃程度のぬるま湯で行うことがポイントです。
6-2-3 泡で優しく洗う
液体タイプの石鹸シャンプーを使用する場合も固形石鹸を使用する場合も、十分に泡立ててから髪に乗せましょう。泡で洗うことで、髪同士の摩擦を和らげることができます。また、髪を洗う時に爪を立ててしまうと頭皮が傷つきます。指の腹を使って優しく洗いましょう。
6-2-4 しっかりとすすぐ
石鹸カスが髪に残ってしまうと、ベタつきの原因となります。成分が残らないようにしっかりとすすぎましょう。目に見える泡を流すだけでは十分ではありません。洗った時間の3倍程度を目安に丁寧にすすぎを行いましょう。
6-2-5 酸性リンスで髪を整える
シャンプーした後には、酸性リンスを使用して髪を弱酸性に戻してあげましょう。市販のものを使用する場合には、パッケージ記載の用法に沿って行いましょう。
6-3 石鹸シャンプーは保存方法、使用期間に注意する
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石鹸シャンプーは天然素材、無添加です。防腐剤などが含まれていないことが多いため、誤った扱いをすると品質が劣化してしまいます。保存方法や使用期間も意識するようにしましょう。
6-3-1 保存方法
水分の多い浴室に開封したシャンプーを置いていると中に水が入り、雑菌の繁殖や成分が劣化する原因となります。お風呂上がりにはシャンプーボトルもしっかり水を切り、きちんとふたを閉めて浴室の外で保存しましょう。また、シャンプーのストックを常備する場合には直射日光の当たらない風通しの良い場所を選びましょう。
6-3-2 使用期間
シャンプーなどの製品は薬事法により未開封の状態で通常保存をした場合、3年以上問題なく使用できる場合には使用期限の記載義務がありません。石鹸シャンプーも記載されていないものが多くありますが、防腐剤の入ったものに比べて劣化は早いです。1~2年程度を目安に早めに使うようにしましょう。
もし開封して変色していたり匂いに異変がある場合には使用は控えましょう。開封後はさらに使用期間は短くなります。1~2ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
7 おすすめの石鹸シャンプー&リンス
口コミでも人気のある3商品をピックアップしてみました。参考にしてみてください。
7-1 ミヨシ / せっけんシャンプー&せっけん専用リンス
配合されている成分は水とカリ石けん素地のみのシンプルなシャンプーです。香料、着色料、防腐剤など全て無添加なので安心して使うことができます。同ブランドから出ている専用のクエン酸リンスと併せて使用しましょう。
販売価格:¥461(税込)
内容量 :350ml
※2019年3月 Amazon調べ
販売価格:¥370(税込)
内容量 :350ml
※2019年3月 Amazon調べ
某シャンプーで頭皮が荒れてしまったので、病院の勧めで無添加のこのシャンプーとリンスを使いました。はじめは、きしむし洗いずらいしタメ息が出ましたが、使っていくうちに頭皮も良くなり、意外と頭皮がさっぱりするし、髪質もよくなってくることにびっくり!リンスは、ネットで調べ自分で作るようにして、しばらくはこのシャンプーを使ってましたが、子供にも使えるし、天使の輪もできるしなにせ無駄なものが配合されていないところがすっばらしい!ただし、手作りリンスより、この市販のリンスのほうがしっとりすると思いました。
引用:@cosme
安心できるものを探していたところこちらのシャンプーにたどり着きました。約3年くらいは使い続けています。髪の毛は昔より健康的になったからかツヤが出てきたような気がします。
引用:@cosme
無添加ということで髪や肌には良いけど、やっぱり洗ったあとは髪がごわごわしてしまうのかな、と考えていたのですが、おなじミヨシの無添加リンスと組み合わせて使うと1週間ほどで普通のシャンプーと変わらない状態になりました。お値段もお手頃でお勧めです。
引用:Amazon
7-2 パックスナチュロン / シャンプー&リンス
ヒマワリ油を使用した髪に優しい植物性の石鹸シャンプー。ローズマリー、ラベンダー、ユーカリ、オレンジなどの精油を原料にしたシトラスフローラルの香りです。こちらも専用のリンスがあります。
販売価格:¥900(税込)
内容量 :500ml
※2019年3月 Amazon調べ
販売価格:¥976(税込)
内容量 :500ml
※2019年3月 Amazon調べ
数年前愛用していました。とにかく細い髪、すぐペタンコになるのでハリコシ出てボリュームアップするので大好きでした。洗い流しも泡はさっと無くなりかなり楽ですし←流す時にぬるぬるするしっとり系シャンプーは大嫌い。脂っぽい頭皮もとにかくすっきり、気持ち良くてずっと石鹸シャンプーを使っていたかったですが欠点がひとつだけあり・・・ツヤが無くなるんです。なんともマットな髪・・・。歳を取るとツヤ無しの髪はすごく老けて見えますから(´;ω;`)ですが良いシャンプーでした。いつか「ボリュームアップ出来たらツヤ無くてもいい」と思えるようになったらまた使いたいです。
引用:@cosme
二回リピートしました。かなり信頼しています。ほとんどのシャンプーコンディショナーで頭が痒くなってしまうので、石鹸シャンプーじゃないと健やかに生活できません。3年前から石鹸シャンプー生活してます。こちらを使い出す前は固形石鹸に手作りクエン酸リンスでしたが、気まぐれでトライアルセットを使ったらサラサラ具合に感動して現品使い始めました。たまに合成シャンプーのいい香りとかツヤ具合が恋しくなりサンプル使ったりしますが、乗り換える気にはなりません。頭皮の匂いもマシになったし、流すとき背中に付いても心配ないし、洗い上がりのスッキリサッパリサラサラ感はやっぱりこれです。
引用:@cosme
他のシャンプーよりもこれで洗うと頭皮の臭いがかなり抑えられ、臭くなるスピードが遅くなります。流した直後に髪はきしみますが、普段使っているトリートメントとリンスを使えばサラサラになります。欠点は泡が早くつぶれやすいことと、ヘアカラーの退色が早いことです。私は赤みを抑えたアッシュ色に染めていたのですが、一週間の使用でもう赤オレンジっぽくなってきました。普段より退色スピードが早いです。元々赤みのあるカラーの方は大丈夫かもしれませんが、マットやアッシュカラーを長持ちさせたいのなら使わない方がいいかもしれません。
引用:Amazon
7-3 シャボン玉 / 無添加せっけんシャンプー&専用リンス
敏感肌や乾燥肌の方はもちろん、小さな子供にも安心の無添加せっけんシャンプーです。本来の健康な髪に戻してくれ、ハリとコシを与えてくれます。シャンプーにはツバキオイルを配合し、皮脂に含まれる成分と同じオレイン酸で髪をケアしてくれます。
販売価格:¥847(税込)
内容量 :520ml
※2019年3月 Amazon調べ
販売価格:¥827(税込)
内容量 :520ml
※2019年3月 Amazon調べ
髪質は硬めのくせ毛。頭皮には、よく湿疹ができていました。美容院専売の高級シャンプーや、オイル、色んなものを試してみましたが、髪質はごわごわ、のままでした。妊娠をきっかけに、皮膚につけるものを見直すことにして、シャンプーリンスも無添加にしたところ、頭皮の湿疹は無くなり、髪の毛もツヤがでてきて、くせ毛も落ち着きました。無添加シャンプーは、ごわつく人が多いようですが、わたしにはこちらのシャボン玉さんのものはあっていたようで、もう半年ほど使用しています。
引用:@cosme
石鹸も歯磨きも、普段使うものはほとんどシャボン玉石鹸にお世話になっています。最初はギシギシして乾かしても髪が固く、ボワッと広がっていましたが半分使う頃には慣れ、落ち着いてきました。天使の輪が久々に復活しました!あんず油と一緒に使ってます。リニュ前のものは泡立ちが悪かったようですが、こちらは泡で出て来るので問題ありません。ボブの長さで2プッシュでアワアワになります。リンスは酸性なので、手が荒れてる人はそのまま触ると激痛です、注意。。。風呂桶に湯を張って1プッシュ混ぜて流してます。コスパいいです。香りの楽しみはなくなってしまいましたがもうケミシャンプーには戻れません。
引用:@cosme
長年使い続けておりました。無添加シャンプーを地方からも取り寄せても、結局これに戻る。翌朝、根本がしっかり立ち上がるのは、こちらのシャンプーだけ。もちろんシャンプーだけでは髪がキシミマスのでリンスとトリートメントは髪先にしっかりとします。商品の原材料をよく見ると、無添加や自然の物を使っていますと明記しながら薬品名が並ぶのを見てガッカリしますが、こちらは違う。作り手のプライドを感じます。今回新商品になり、泡の状態で出てくるので大助かり。子供たちも使いやすいと喜んでいます。
引用:Amazon
8 まとめ
賛否両論ある石鹸シャンプーは、確かに髪や頭皮の状態によって向き不向きがあります。合う人にとっては今までの悩みを解消してくれる最高のシャンプーになりますし、合わない人はさらに状態を悪くしてしまうのです。
石鹸シャンプーを使用する際には、自分の髪や頭皮のタイプをしっかり見極めて使うようにしてみてください。