円形脱毛症。これは女性でも男性でも子供でも誰にでも起こり得ることです。とはいえ、ある日突然自分の頭に脱毛部分を見つけると焦ってしまいますよね。今回は円形脱毛症とはどういったものなのか、見つけた時にはどうしたらよいのかをご紹介します。
Contents
1 円形脱毛症とは
聞いたことはあると思いますが、実際どういったものなのかご存知でしょうか。
円形脱毛症とは円形や楕円形の脱毛斑が突然現れる疾患のことです。自覚症状はなく、前触れもなく気づくとできている・・・というものです。
脱毛が進行している時には、周囲の髪を引っ張ると痛みもなく簡単に抜け落ちてしまいます。
また、円形脱毛症にもいろいろなタイプがありますので、ご紹介しましょう。
出典:Pixta
1-1 単発型
最も多いタイプです。豆粒大から500円硬貨ほどの大きさの脱毛斑が1か所にできます。
1-2 多発型
脱毛斑が2か所以上にできる症状です。
複数の脱毛斑がひっついて大きくなることがあります。多発型の場合は治っても、何度も脱毛を繰り返すことがあります。
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1-3 蛇行型
後頭部や側頭部など髪の生え際が帯状に繋がって脱毛していきます。
1-4 全頭型
多発型の脱毛斑が結合するなどして頭部全体に広がり、最終的には頭髪全てが抜け落ちてしまいます。
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1-5 汎発型
全頭型がさらに進行した最も重症なタイプです。
頭髪だけでなく眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜け落ちてしまいます。
2 原因
突然現れる円形脱毛症はなぜできるのでしょうか。その原因を見ていきましょう。
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2-1 ストレス
昔からストレスで10円ハゲができたなどとよく言いますね。
過剰な肉体的、精神的ストレスによる緊張状態が続くと、血管が収縮され血液の流れが悪くなり、結果として頭皮に栄養が行き渡らなくなり、脱毛に繋がるのです。
また、ストレスによりホルモンバランスが崩れることによって体のさまざまな機能が正常に働かなくなることも脱毛の原因の一つとされています。
2-2 自己免疫疾患
現在、円形脱毛症の主な原因と言われているのがこの自己免疫疾患です。
体を病気やウイルスから守る免疫細胞が、何らかの原因で髪の成長や発毛に必要な毛母細胞や毛乳頭を攻撃してしまうことで髪が抜け落ちるのです。
先ほどストレスによって体のさまざまな機能が正常に働かなくなると言いましたが、この自己免疫疾患が引き起こされる一要因もストレスだと考えられます。
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2-3 遺伝的要因
円形脱毛症は遺伝することがわかっています。
どの遺伝子によって発症するのかなどはまだ解明されていませんが、家族に円形脱毛症の人がいる場合には、発症する確率が高いと言えます。
2-4 女性ホルモン
妊娠中、出産後の女性ホルモンの乱れも関係しています。
女性ホルモンの中には髪の発達をサポートするエストロゲンがあります。妊娠中はこのエストロゲンが増えるのですが、出産後は減少してしまい、脱毛に繋がるのです。
産後のストレスや栄養不足と重なることで脱毛がひどくなることがあるので注意が必要です。
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2-5 アトピー
円形脱毛症を発症した人の半数近くが、アトピー体質であるという報告もあります。
アトピー体質の人は免疫が過剰に働くという特徴を持った人が多いため、円形脱毛症を併せて発症するのではないかと言われています。
3 円形脱毛症ができてしまった時の対処法
脱毛箇所が1か所だったり、範囲が小さかったりすると自然治癒することもありますが、誤った自己判断で放っておくと症状が悪化してしまうことがあります。
自己免疫疾患などは自分でその要因を取り除くことができません。症状にもよりますがステロイド系の塗り薬などですぐに改善する場合もありますから、ぜひ1度皮膚科を受診して医師による適切な診断、治療を受けるようにしましょう。
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4 予防方法
病院での治療だけでなく、自身の体の状態を整えることも大切です。
症状を悪化させないため、新たな円形脱毛症を発症させないためにしっかりセルフケアを行い、予防していきましょう。
4-1 健康的な生活
健康的な生活を心がけましょう。睡眠不足や疲労の蓄積は大きなストレスになります。
早寝早起きなど生活リズムを整え、睡眠と十分な休息をとりましょう。また、適度な運動や趣味など気晴らしができる時間を設けたりして体だけでなく、心もリフレッシュさせるようにしましょう。
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4-2 食生活の見直し
体調を整えるという点でも食生活を見直すことは大切です。
栄養が不足していては体の疲れを回復させることはできません。また、摂取する栄養が少ないと頭皮までその栄養が行き届きかないので発毛を促すことができません。
まずは、規則正しく3食食べて十分な栄養を取りましょう。その上で、ストレス解消に取り組んだり、髪の発育によい食物を取り入れていきましょう。
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4-2-1 ビタミンC
抗ストレス作用を高めてくれます。ほうれん草やかぼちゃ、ピーマン、レモンなどに多く含まれています。
4-2-2 亜鉛
髪の生成を助ける働きをします。
髪の発毛には他にもたんぱく質やミネラルが良いと言われますが、これらは普段の食事にも十分含まれています。
亜鉛は不足しがちですので、意識して摂取するようにしましょう。牡蠣やチーズに多く含まれています。
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4-2-3 イソフラボン
髪の発育に良い女性ホルモンと似た働きをします。納豆や豆腐、味噌などに多く含まれています。
4-2-4 パントテン酸
ストレスへの抵抗力を高めてくれます。ピーナッツや鮭、納豆、レバー、卵黄などに多く含まれています。
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4-3 頭皮マッサージ
頭皮マッサージをすることで血行が良くなり、発毛を促すことができます。血行が良くなると新陳代謝が良くなり、頭皮のターンオーバーが活性化されます。
また、頭皮マッサージを行うと髪を作る毛細血管などの細胞も新たに作られるのです。
長時間マッサージをすると頭皮の負担になりますので、5分程度を目安に行いましょう。シャンプーをした後の血行がよくなっている時に行うとより効果的です。
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4-3-1 こめかみ付近から円を描くように
こめかみに両手の親指以外の四本の指をあて、耳を包み込むように親指を後頭部において固定します。
親指を固定した状態で、残りの4本の指で円を描くようにマッサージをしましょう。このとき、頭皮を傷つけないように指の腹でやさしく行いましょう。
4-3-2 下から上に位置をずらしていく
こめかみ付近のマッサージをしばらく続けたら、少しずつ上の方にずらしてマッサージする場所を変えていきましょう。
頭皮の血行は下から上へ流れていますので、マッサージも血流に沿って下から上へと行うのが効果的です。
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5 カモフラージュ
円形脱毛症の改善といっても髪が生え揃うまでには時間がかかります。
単発型など軽度の場合でも半年から1年。重度のものになるとさらに長い期間を要します。脱毛部分が人目につくのは気になってしまいますね。
そういう場合はカモフラージュをすることでうまく円形脱毛症と付き合っていきましょう。
5-1 髪型を工夫する
特別な道具を必要としないのが髪型で隠す方法です。脱毛箇所が1か所で範囲が小さい場合に有効です。
脱毛部分を覆うように周りの髪を集め、ゴムなどで固定します。こうすることで風が吹いたときや動いたときに脱毛箇所が見えてしまうのを防ぐことができます。
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5-2 増毛パウダー、スプレー
髪に繊維を付着させ、地肌を目立たなくする方法です。
髪が舞い上がるなどしても脱毛箇所が目立たなくなります。髪型でうまく隠しきれなった時に増毛パウダーやスプレーを併せて使うのも良いでしょう。
5-3 ウィッグ
多発型や全頭型など脱毛箇所を隠すのが難しい時には特に有効です。
また、すっぽりかぶるタイプではなく、部分的に使用するヘアピースタイプもありますので、髪型や症状に合わせて自分に合ったものを選ぶことができます。
ウィッグというと不自然になるのではないかと思われますが、最近では自然な見た目で装着できるウィッグも増えているので安心して使用することができます。
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5-4 帽子
ちょっと外に出る時などは帽子をかぶってしまうのが非常に簡単です。頭全体を覆うので風などで髪が舞い上がる心配もありません。室内では不自然になってしまいますので、外出時限定の手軽な方法と言えます。
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6 まとめ
髪は女性にとってとても気になるものです。
きれいにカットしたり、アレンジをしてお洒落したりすることで気分が上がりますね。そんな髪に円形脱毛症を発見するとショックですし、不安になると思います。
そんな時は一人で悩まずに病院を受診するなどして適切な処置をしましょう。治療を受けたからと言ってすぐに治るものではないですが、根気強く治療とセルフケアを続けていきましょう。